2019年2月某日、amiami hobby news(以下、ahn)スタッフは、ホビージャパン社を訪れ、ボードゲームファンなら誰もが知っているカナイセイジ氏へのインタビューを敢行しました。今回は、あみあみ限定販売『有野課長のLove Letter』を題材として、ホビージャパン社が発行する「カードゲーマー」の公式webとの連動企画。

カナイ氏(以下敬称略)、そして急遽、ゲームセンターCX(以下、GCCX)の番組広報石井氏(以下敬称略)にもご同席いただき、お話を伺いました。当商品とカナイ氏の魅力を、カードゲーマー/ahnの2媒体が別々の視点から掘り下げるインタビュー、ぜひお楽しみください!

 

コラボレーション秘話

――よろしくお願いいたします。……白熱の戦いでしたね!

カナイ/石井:よろしくお願いいたします。

カナイ:まさかの決着で!

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▲インタビュー前、カナイ氏、ホビージャパンの2名、ahnのメンバーで対戦しました。

――個人的にも『Love Letter』は凄く好きなのですが、『有野課長のLove Letter』も題材がうまくマッチしていて、面白いですね! コラボレーションのきっかけは何だったのでしょう?

石井:とある単行本を購入したとき、おまけに付属していたのが『Love Letter』でした。あるとき休憩中に、GCCXのスタッフでやったら凄く盛り上がったんです。「うちの番組でも欲しい」と思って、何のツテもなかったんですけど、すぐカナイさんにメールして依頼したんです。

カナイ:連絡は、いきなりでしたね(笑)

 

――いきなり連絡がきてどう思いましたか?

カナイ:正直いってビックリしました。最近は、ボードゲームの流行のおかげか、時々変わったお話が舞い込んでくることがあります。こういうのは貴重な機会だと思っておりますので、「今回はどんな感じだろう?」と興味を持ってお会いしに行ったことを覚えています。

 

――ガスコイン・カンパニーに出向かれたのですか?

カナイ:いえ、渋谷の椿屋(喫茶店)です(笑)。コラボに関してはすでにいくつかやらせていただいていたので、今回も「まとまれば嬉しいな」という感じでした。実際に詳しくお話を伺って、トントンとすぐに実現という流れになりました。

石井:そうですね。思いついたら行動してしまうので(笑)。今回もすぐメールしてお会いしたものの、ボードゲームには疎かったので、実は後から、カナイさんが凄い人だと知りました。「なんだか凄い実績の方なんだな!」と(笑)。

 

――すぐに楽しめる点がいいですよね。私の8歳の娘も楽しんでます。

石井:まさに、ライト層向けのアイテムだと思います。実は昨今、GCCXのファンの裾野も凄く拡がっているんですよ。かつては有野課長と同じくらいのファミコン世代が中心でしたが、15周年を越えて、今ではそのお子様や若い女性などもファン層なので、『Love Letter』ならみんなで楽しめるなと。

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爆発のきっかけは、ドイツでの受賞

――今回のコラボだけでなく、関連シリーズも多く出ているということですが。

カナイ:そうですね。コラボの中には、日本ではあまり知られていないようなものもあります。海外ドラマを題材にしたものや、国ごとのアニメとのコラボ。また、ロシアでは某有名SF作品とコラボしてます。英語版では大人の事情で出来ていませんが……。

 

――○○語版だからできたこともある。

カナイ:そうですね。アメリカでは『バットマン』『アドベンチャータイム』など。世界でプレイしてもらえるのはありがたいですね。

 

――今でこそ世界中で楽しまれている『Love Letter』ですが、人気爆発のきっかけは? どうやって火がついたのでしょう?

カナイ:日本最大のボードゲームイベント「ゲームマーケット」で『500円ゲームズ』という同人プロジェクトがありました。安い製作費で作って500円で売ろうというものでしたが、そのノウハウで作っていたらいいものが出来たんです。安さと取り扱いのしやすさの両立ですね。最初は手売りで販売していましたが、次第に人気が出て出版社が取り扱ってくださることになりました。

ただ一番火がついたのは、エッセンシュピールというドイツの見本市でしたね。予想外に売れました。販売方法についてはアメリカの商社がハンドリングしてくれましたが、赤い巾着もつけて7ユーロで販売していました。当時としては破格の安さだったので、皆もの珍しかったのかな? フェア中に「こんな面白いものがある」と評判になり、あっという間に売り切れました。

最終的にはその巾着袋がなくなって中身だけ3ユーロで販売したようです。見た目の珍しさと、ゲーム自体の面白さが合致したタイミングでした。

 

――そして、『ドイツゲーム賞』を受賞しました。

カナイ:はい。まずドイツの大きな賞は2つありまして、一番大きいのは『ドイツ年間ゲーム大賞』。そちらではリコメンド、つまり推薦作に入りました。もうひとつに『ドイツゲーム賞』というものがあって。こちらでは、ドイツのゲーマーたちが選ぶ人気投票で4位に入りました。この順位は恐らく日本で初だったと思います。

 

――なぜ、ドイツで受け入れられたのでしょう?

カナイ:遊びやすさですかね。ボードゲームのイベントって、色々な卓で時間調整をしながら遊ぶのですが、例えば隣の卓のゲームがまだ終わってないという卓待ちのときにやれる軽いゲーム、俗にフィラーと呼ばれるのですが、その時間の枠にスポッと入ったのだと思います。ルール説明も簡単。片付けも早いですし(笑)。あとお値段も凄くお手頃でした。

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ゲームデザイナー『カナイセイジ』

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――そもそも、カナイさんはなぜゲームデザイナーを目指されたのですか?

カナイ:世代的には、子供の頃から触れていたシールやカードが最初ですね。ビックリマンやカードダスなど。一人っ子なので、集めたそれらでどう遊ぶか考えるんですよ。
その後、実際にゲームデザイナーを目指すきっかけとしては、大学院で落ちこぼれて、自分の本当にやりたいことを突き詰めていったことかな……(笑)。アルバイトをしながらコミックマーケットなどで自作のゲームを製作・販売していました。当時のアナログゲーム制作は同人活動が多かったですからね。実は、『Love Letter』より前にも、いくつかのゲームがそこそこ支持をいただいておりました。

 

――大学院で研究……理系ですか?

カナイ:僕、文系なんです。

 

――てっきり、ゲームデザインの方は理系が多いのかと思っていました。ゲーム製作は、まずどのように着手されるのですか?

カナイ:基本の考え方ですが、ゲームデザインの方法は2種類あります。勇者がドラゴンを倒しに行く、というようなテーマが先にあって製作するのが「テーマ型」。一方、サイコロ3個振ってその数で進める、というようなギミックから先行して作っていくのが「メカニクス型」。理系の方は「メカニクス型」で、文系は「テーマ型」が多いと言われていますね。

 

――文系だからこそかわいらしいテーマになった(笑)。

カナイ:最初はもっと血なまぐさいテーマだった気がしますが(笑)。最後の最後にお姫様に手紙を届けた方がいいなと、かわいいテーマがふってきて……そう、救われました。お姫様に救われました(笑)。自分を褒めてあげたいです。

 

これからの『有野課長のLove Letter』

――ライト層に向けた良い商材ですが、改めて販売店のあみあみに期待されることなどは?

石井:体験会などを開いて、ぜひ遊ぶきっかけを提供して頂きたいですね。

カナイ:ぜひその際は協力させてください。優勝した人の前に「最後のボスが現れた!」みたいに出ていっても面白いかも。

 

――GCCXらしく(笑)

石井:まさに。GCCXのファンの皆様も含めて、まずは遊ぶ場を提供したいですね。ちなみに、追加カードはすでにいくつか用意してます。番組ファンならニヤリとするネタなどを仕込んでますので、今後の発表をぜひ楽しみにしていただきたいです!

カナイ:こうやって継続して話題提供くださって嬉しいですね。ガスコイン・カンパニー様に期待しております!

 

――最後に、読者の皆様に一言お願いします!

カナイ:『有野課長のLove Letter』ぜひ遊んでみてください。通販、秋葉原の各店で売ってます! あと……僕がマネージャーを努めている新進気鋭デザイナー(?)『梶井星奈JK』の『ポプテピピッククソカードゲーム第2弾~最強クソ進化!~』もあわせてお願いします(笑)。梶井さんは今日は平日なので、学校に行っている……ということで(笑)。

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取材後期

「ゲームデザインを考えるときは、ファミレスのジョナサンに篭ります。家で布団があると進みません(笑)」という裏話も包み隠さずお話いただいたカナイ氏。実際にゲームをプレイする際にも、盛り上げ役としてサービス精神満点の笑顔をふりまいてくださいました。

その反面、「日本のゲーム業界をもっと盛り上げたい。海外の物量にアイデアで勝負したい」という闘志も見せられていたその姿を見て、アナログのボードゲームをより楽しくするのは、製作者のアナログな人間力と熱さなのかもしれない……と感じたスタッフ一同でした。

気になる、ゲームの勝者は!? そして『有野課長のLove Letter』のさらなるコダワリとは!? 続きは、カードゲーマー公式webをご覧ください!

(インタビュー:あみあみ広報担当岩永)

 

カードゲーマー公式web

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