【トピックス】話題の新アイテム「ねこぶそう」 開発担当者インタビュー!

※この記事は1年以上前の記事であるため、一部情報が変更されている場合がございます。

BANDAI SPIRITSホビー事業部の新アイテム「ねこぶそう」。思いがけない組み合わせで話題を呼んでいるこのアイテムが、どのようにして生まれたのか? 開発を担当した清宮僚太氏(以下敬称略)にお話を伺いました!

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▲開発者も実はねこ!? こちらが、今回お話を伺った清宮氏です。

 

──エイプリールフールに発表された意外な企画でしたが、どのようにスタートしたのでしょうか。

清宮:1年近く前になりますが、社内で開催された新規企画のアイディアミーティングで提出した企画でした。
昨今のトレンドとして、美少女×武装というジャンルはすごく勢いがありますよね。私もいったんはその方向で考えていたんです。

──スタートは、おなじみになっているメカ少女系だったんですね。

清宮:ただ、それは既に確立されたブランドが多数存在する市場でもあり、それぞれによく考えられたコンセプトや実力のあるクリエイターさんの関わりなどがあるシリーズに対して、トレンドだからといって闇雲に市場に提案してもお客様に受け入れてもらうことは難しいだろう思いました。そこで改めて、なぜ美少女×武装が受けるのかという本質の部分を突き詰めて考えたところ、自分が至ったのが「違和感」にあるんじゃないかということでした。

──本来、まったく別ジャンルであるものを組み合わせることによって生まれる面白さですね。

清宮:そうですね。それならば、その違和感を最大化することが企画に必要なんじゃないかというのが発想のきっかけになりました。ならばコンセプトを最も尖らせるためには、硬いメカに対してコアになる柔らかい部分を、美少女よりももっと可愛いものにすればいいんじゃないか? じゃあ、地球上でもっとも可愛い生き物はなんだ? 「ねこ」だ! というところに行きついたんです。そこからまとめた最初の企画書では、時期的に「獣」が流行っているというプレゼンもいれていましたが(笑)。

──企画に対する反応はいかがだったのでしょうか?

清宮:最初は「戸惑い」だったでしょうか。「おまえはなにをいっているんだ」という感じで、なにしろ自分でも企画を立てていて何をしているか判らない瞬間がありましたからね(笑)。この時点ではデザインもまだ固まっていなくて、ねこに重装備を合成したようなビジュアルを企画書に載せていたんですが、そのビジュアルが直観的に面白いと思ってもらえたので本格的に動くことになりました。そこから実際に企画として落とし込んでいく試行錯誤の過程で、ホビー事業部の得意な部分を活かして「プラモデル」の要素を入れてみよう、ということと、逆にねこは「完成品フィギュア」で再現してみよう、ということを組み合わせてこの商品形態にまとまっていったんです。

──ねこフィギュアの開発で、苦労された点などはありますか?

清宮:最初の試作ではフル可動モデルのねこを作ったものの、ねこらしい、しなやかなプロポーションが表現できませんでした。さらに、ぶそうパーツの固定方法もいろいろ模索していき、ねこに被せるジャケットに3ミリ径の穴をあけてパーツを取り付ける形に落ち着きました。
また、ジャケットのコンセプトができてから次の試作原型も、あまり可愛くない、ということを言われまして(笑)。そこから世界観なども突き詰める中で「ねこって可愛くなきゃいけないよね」「ねこって平和だよね」ということを重視して、ぶそうの方向性もいかついテイストからいまの柔らかみのある形に変わっていきました。

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▲ジャケットを装備した、ねこの試作原型。この時点では、がっしりとした鎧のようなジャケットでした。

 

──ねこの造形はとてもリアルなものになっていますね。

清宮:すでにねこの造形では一定のファンも付いている、森口修さんに原型をお願いしました。
今こちらにあるものは森口さんに塗っていただいた彩色見本なので、毛並みや瞳の塗装などの量産品のクオリティはこれから頑張らないといけないところですね。

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▲ねこの塗装見本。座り込んだ胴体の下側には、畳まれた脚や肉球もしっかり造形されています。

 

──ぶそうパーツに関しては、ホビー事業部のノウハウの活かしどころでしょうか。

清宮:とはいえ、ガンプラなどの開発テイストとはだいぶ違うものなので、どこまで応用できるかは難しいところですね。
バックボーンを持たないオリジナル商品なので、手にしたお客様のとっかかりとして決まった形態は提示しなければいけない、ということで、「てんこ盛り」を四分割した「並盛り」にそれぞれ2種類ずつの組み換えメカを設定することになり、構成にずいぶん悩みました。
検討を重ねるなかで、メカデザインを担当していただいたフクダカズヤさんが作った「掃除機」が突破口になりましたね。
AセットとBセットのパーツを合わせて「掃除機」になるならば、CセットとDセットを組み合わせてできるのは「ロボット掃除機」だろう、という具合に発想をふくらませていきました。

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▲静岡ホビーショーでも展示されたジオラマ作例。ぶそうパーツから作られた掃除機は、和室にもしっくり馴染む完成度です。

 

──「掃除機」がきっかけになったのですね。

清宮:企画は「ねこに重装備」というところから始まっていますが、テイストとして商品はもっとゆるい世界観でいきたいなと考えていました。メカとしてのカッコよさは追求しつつも、それがものものしいデザインである必要はないだろうと考えていたところ、「掃除機」に着地したという(笑)。
ジャケット部分の造形についても、ねこって自分から身に付けたり着せられたりする生き物じゃないということで、こたつや段ボール箱、キャリーバッグといった「居心地がいいからなんとなく入っている」という物になっています。じつは段ボールの造形などは最初に発表した画像のものから作り直して、ねこが遊んだらしいヨレ感を加えてあるんですよ。

──パーツ単位では、例えばヘリメカのプロペラなどを見ても、それぞれの役割としての形を固めすぎていないデザインが良いですね。

清宮:パーツの形を固めすぎないことで、いろんなものに見立てて組み換えに対応できるデザインになっているのは、フクダさんの上手いところですね。クローラーパーツにしても、向きを変えても成り立つし、「ねこドローン」では横にして飛行用のジャイロに見立てています。

──Dセットの組み換えで「ねこシールド」にしたときに、このパーツがねこの顔に見える、なんていうディテールもありますね。

清宮:いろんなところに、ねこっぽい意匠が隠し要素的に散りばめてあるんです。

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▲メカディテールをよく見ると、ねこの肉球のようになっている部分が。

 

──お気に入りのパーツはありますか?

清宮:Dセットの「ねこビースト」に乗っているクローのパーツですかね。可動ジョイント状のパーツは4セットとも共通で入っているんですが、この90度に曲がったパーツはDセットだけに入っているものでジョイントとしてもコアとしても幅広く使えるんですよ。
ちなみにこれらの可動ジョイントは強度を優先したABS製なのですが、その他のぶそうパーツは塗装や接着をして遊んでもらえるようにプラモデルと同様のPS素材を使用しているんです。これはホビー事業部の製品としてのこだわりの部分ですね。

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▲「ねこビースト」の上部に付いているのが、清宮氏おすすめのクロー型パーツ。分解してジョイントとして使うこともできます。

 
──それにしても、実際にねことメカを組み合わせてみると、ねこたちが自分の装備しているメカに対して我関せず感があるのがなんともシュールですね。

清宮:それがねこのいいところで、造形面でも「表情をあえて無表情に」というのは森口さんへのオーダーとしてこだわったところなんです。例えば、2つのセットのメカを合わせて組み換えるとねこが1体あまることになるんですが、その使い方として……
 
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清宮:このように前に置くだけで「ただ見ている」とか(笑)。
 

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清宮:もしくは(そっぽを向かせて)「興味がない」っていう(笑)。
 

──こうしてねこがただ並んでいるだけでも、なんというか世界観の「深さ」みたいなものが感じられます(笑)。

清宮:街中でねこを見かけたときにも、人は自分の中でストーリーを作ってしまうところがありますよね。それぞれのねこにはホームページで公開しているようにゆるいキャラ付けもしてあるので、ねこならではの世界観を想像しながらメカと組み合わせていただくと、より楽しめると思います。

──先日の静岡ホビーショーでは、第2弾の発売も発表されましたね。

清宮:第2弾のメカデザインは、バンダイ ベンダー事業部の「換装重機」「換装少女」を手がけた倉持キョーリューさんに担当してもらっています。ホビーショー会場で鳥形のメカを展示したように、今度はメカが動物型に組み換えられる、というコンセプトです。さらにもうひとつ裏テーマ的なモチーフも入れてあるんですが、それはまだお楽しみに、というところですね。

──さらに先の展開もいろいろと考えられそうなシリーズだと思います。

清宮:企画担当としては、お客様が完成させる商品だと思っているところもあります。まずは第1弾で遊んでいただいて、その反応を見たときに自分にも新しい発見があるんじゃないかと期待していますし、そのうえでお客様の声を聞きながらいい意味で意表を突いた企画を出していければいいですね。
 

実はインタビューの途中、ライターと清宮さんがサンプルで組み換え遊びを始めて、そろって話が止まってしまう一幕も。その中で出来たライターの作例がこちら!

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▲タイトル「降臨! ねこルシファー」。六枚の羽根を広げた姿に他のねこたちもひれ伏している……ようで実は興味なし!?

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▲さらに、即興でつくった謎のねこメカも集って、あっというまに不思議な情景ができあがりました(笑)。

清宮:ご購入いただいたお客様には、組み換えたメカのシルエットとしての面白さに加えて、どんなくだらない機能があるかというところも含めて考えていただけるとより楽しくなると思うので、ぜひ創意工夫でお好みの「ねこぶそう」を作ってください!

──ありがとうございました。実際に製品で遊ぶのも楽しみです!
 
 

(インタビュー・文 TAC☆)

 

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