アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』第1話の有料配信を前に、11月23日にベルサール秋葉原にて第1話限定試写イベントが開催された。
漫画原作の太田垣康男さん、松尾 衡監督、サンライズ小形プロデューサー、サプライズゲストとして中村悠一さん(イオ・フレミング役)、木村良平さん(ダリル・ローレンツ役)が登壇、漫画からアニメまでの『ガンダム』ファンを前に、様々な方面から作品について語られた。
オフィシャルリポート
小学館発行の青年漫画雑誌「ビッグコミックスペリオール」で好評連載中、累計発行部数140万部の大人気コミックス『機動戦士ガンダム サンダーボルト』が、EST配信(セル配信)&TVOD配信(レンタル配信)(全4話)にてアニメ化!
宇宙世紀0079、一年戦争の末期に“サンダーボルト宙域”で繰り広げられた激戦の裏側、地球連邦軍とジオン公国軍それぞれの重厚な人間ドラマをハードボイルドな作風で描くアニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』。その第1話限定試写イベントが、11月23日(月・祝)、東京・ベルサール秋葉原で開催された「ガンプラEXPOワールドツアージャパン2015」のスペシャルステージにて行われた。第1話上映後に実施されたトークショーには漫画原作の太田垣康男さん、松尾衡監督、サンライズの小形尚弘プロデューサーほか、イオ・フレミング役の中村悠一さん、ダリル・ローレンツ役の木村良平さんがサプライズゲストとして登壇した。作品でこだわった点について聞かれた松尾監督は「音楽を付ける作業の時に、絵がほぼほぼ完成していたんです。それによって音楽と映像を上手く合わせることができたのかなと思います。そういう意味で、音楽はこだわったポイントの一つです」とコメント。また、作品が映像化された感想を聞かれた太田垣さんは「漫画では音楽が流れることはないので、そこは読者の皆さんの想像によって補完されていた部分なんです。そういうこともあって、音楽を菊地(成孔)さんに担当して頂いて、自分のイメージしていたものにピッタリとハマった音楽を付けて頂けて、嬉しかったです」と語っていた。
一方、イオを演じた印象について聞かれた中村さんは「僕の勝手な解釈ではあるんですけど、ダリルが良い人物に映って、イオが悪者に見えれば良いのかなって(笑)。もちろんイオなりの正義があるんですけど、作品として観て頂く時には敵役に映ればいいなと思って演じていました」と語った。同じく、ダリルを演じた印象について聞かれた木村さんは「コミックスを読ませて頂いた時に、やっぱり注目すべきはイオとダリルという二人の人物なのかなって。そのバランスが作品の肝なんだろうなって芝居する上では思っていました。今回は『プレスコ』という、芝居に合わせて絵を後から描いてくださるというスタイルだったんですけど、ダリルの演じ方について松尾監督からもう少し若い感じで演じて欲しいと言われたことは印象に残っています」と、キャラクターを演じる苦労や演じ方のポイントなどを明かしてくれた。そんな中、小形プロデューサーからイオとダリルは二人とも主人公なんですか?と質問された太田垣さんは「二人とも主人公です。連邦とジオン、どちらかに肩入れするのではなく、両サイドから見た物語にしたかったので、バランスを取るためにもイオとダリルの二人が主人公という形にしました」とコメント。それについては松尾監督も「どちらかに主体をおいた話ではなく、扱いとしては対等のつもりです。色使いとかも含めて、なるべく同じくらいのバランスで見られるように意識しました」と語っていた。
話題はキャラクターからメカへと移り、本作に登場するモビルスーツについて聞かれた中村さんは「フルアーマー・ガンダムの登場シーンで、コミックスでは1カットで描かれている部分にザクをなぶり倒すというシーンが追加されていて、完全に悪者感が出ていましたね(笑)」と印象を語った。そのシーンについて松尾監督は「自分の中で少し長くてもいいかなって20秒くらいのカットにしていたんですけど、玄馬(宣彦)さんが勝手に6秒くらい延ばしてきたんです(笑)。尺が決まっているのに、どうしようって。その時に玄馬さんが『ガンダムは畏怖の対象にならなければ駄目なんです』と仰っていて。なので、僕の絵コンテよりもガンダムが恐い感じというか、執拗になぶり倒すという演技が足されたのはそのせいなんです(笑)」と制作の舞台裏を明かしていた。そんな中、主人公のイオとダリルそれぞれを演じた中村さんと木村さんについて感想を聞かれた太田垣さんは「僕の脳内で再生する時は自分の声がベースになるので、二人とも少し老けていたんですけど(笑)、中村さんと木村さんが演じることによって、すごく若返ってエネルギッシュになっていたので良かったです。漫画ではアダルトを意識しているというか、落ち着いた感じのものにしたいというのはありましたが、アニメは漫画と同じような印象では面白くないですし、せっかく映像にして頂くならより魅力が増して欲しいと考えていたので、とても満足のいく完成度だったと思っています」と二人の演技を絶賛していた。最後は登壇者全員がファンへ熱いメッセージを送り、トークショーは終了となった。
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