期間限定でのオープンにも関わらず、あまりの完成度の高さに「ずっと続けて！」の声が高かった噂の「怪獣酒場」が、2015年4月15日に「帰ってきた怪獣酒場」としてリニューアルオープン。「地球防衛隊員およびヒーローに変身できる能力がある方は入店お断り」という高い（？）ハードルを乗り越えて、川崎の店舗を突撃取材させて頂きました。いやあ、就活で防衛隊を選んでいたら取材できないところでしたね。

▲閉店から復活までの「空白の1ヶ月」を描く特別映像

 

「怪獣酒場」とは、ウルトラ怪獣たちが夜な夜な憂さを晴らしていた場所。一部の時間帯を地球人にむけて開放するとして、2014年3月にバルタン店長がグランドオープン。並ぶの当たり前！予約もなかなか取れない！といった人気ぶりを発揮したものの、宇宙警備隊・ゾフィー隊長の警告とパトロールによりバルタン店長は惜しまれつつ営業継続を断念。しかし、ウルトラ戦士たちが引き上げるや否や営業再開を決定。2015年4月15日からあらたに「帰ってきた怪獣酒場」として営業を開始した、という運びになっています。

現在の「帰ってきた怪獣酒場」は（再びウルトラ戦士に妨害されない限り）特に期限の無い常設営業なので、今まで行けずに悔し涙を流していた人には朗報ですね。場所はJR川崎駅からアゼリア26番出口を出てすぐの地下1Fにあります。（記事内画像はクリックで拡大します）

 

「帰ってきた怪獣酒場」エントランス

店内に入ると、まずはエントランスの「ジャミラの真実の口」に手を入れて、自分がウルトラ戦士または地球防衛隊関係者で無いことを証明。ウルトラ戦士を苦しめた「リスペクト怪獣」である宇宙ロボットキングジョーの立像、バルタン店長の挨拶、宇宙人・怪獣連合の営業許可書、「怪獣酒場」ならぬ「怪獣墓場」に登場した亡霊怪獣シーボーズのフィギュアなどが並び、レジ裏には怪獣たちのお忘れ物コーナー……と、入って数メートルのうちにツッコミが追いつかないほどの見どころが仕込まれています。レジ上には怪獣たちが人間の文化を真似してみたけれど、どこかズレている魔神怪獣コダイゴンの社（やしろ）風神棚も。

▲怪奇植物スフランの蔦、宇宙怪獣エレキングの尻尾、宇宙竜ナースなど「怪獣の気配」がそこかしこに。

「帰ってきた怪獣酒場」になってから、元々あった「メトロン星人の隠し部屋」も、ペガッサ星人が隠れていたアンヌ隊員の部屋をイメージした「ダーク・ゾーン」へとリニューアル。こちらはお誕生月の人しか入れないスペシャルエリアで、鏡台や小道具など細部まで再現されています。

 

「帰ってきた怪獣酒場」店内客席

カウンターとテーブルが並ぶ人気の「怪獣エリア」には、『ウルトラマン』～『ウルトラマンタロウ』を中心とした多数の怪獣フィギュアが並び、壁にはウルトラ戦士たちのピンチ＝怪獣視点での名シーンのパネルがずらりと並んでいます。リスペクト怪獣をモチーフにしたテーブル席には、今までの「宇宙ロボットキングジョー」「宇宙恐竜ゼットン」に加え「宇宙大怪獣ベムスター」「ミサイル超獣ベロクロン」「宇宙大怪獣アストロモンス」が追加されました。ここに座れた人はラッキー？

 

宴会＆ご予約エリアの「怪獣無法地帯」では、「怪獣屏風絵」などを眺めながら怪獣トークで盛り上がれそう！

 

「光の国/地球戦力研究室」では、敵であるウルトラ戦士や地球防衛隊の戦力を分析すべく、武器や乗り物、研究資料が多数置かれていて、対策を練るには持ってこいのエリアです。「宇宙人エリア」では宇宙忍者バルタン星人、サーベル暴君マグマ星人といった知略を駆使して戦う宇宙人をモチーフとしたエリア。椅子のカバーが宇宙人になっていて、まるで宇宙人たちと対面しているようになっていたり、照明がバルタン星人の宇宙船になっていたりなど、このエリアも話が広がること間違いなし！

奥の「作戦計画室」は、入り口ですでに怪獣たちが隠れて密談中。「あの時どうやったらウルトラ戦士に勝てたのか」を振り返り、計画を（妄想で）練り直す半個室タイプになっていて、お客さんも付箋で壁に「自分だったらこうやってウルトラ戦士を倒す」という計画書を書いて貼ることも出来ます。

▲怪獣たちも打倒・ウルトラ戦士の密談中？ドアノブを回すと……

これだけ趣向を凝らした座席が多数あるのでは、フルコンプを狙ったリピーターも多いのでは……と思ったら、やはり「お会計→並んで入店し直す」という猛者もいるとのこと。ポイント制度も導入されていて、15回以上の来店で「マイスター」と呼ばれる常連の仲間入りができます（ただし、常連さんでも席の指定は出来ません）。遠方から来て3回入店して、6時間以上滞在する方も居るなど、人によって「怪獣酒場」の楽しみ方は様々なようです。

 

「帰ってきた怪獣酒場」フード＆ドリンク

「怪獣酒場」は居酒屋ですので、メニューも気になるところ。もちろん「怪獣酒場」では、ファンならニヤリと出来るオリジナルメニューが多数用意されています。今回はこの4種をオーダーしてみました。

・グドンのおススメ！ツインテールフライ
・大阪城の悔恨～自虐のローストビーフ～
・幻覚宇宙人メトロン星人のメトロンサンライズ（カクテル）
・友好珍獣ピグモンのピンキーライチ（カクテル）

まず看板メニューの「ツインテールフライ」は、本体部分はエビ2尾を使用してありすごいボリューム。生ベーコンで巻いてあるので普通のエビフライよりもコクが有り、さっぱりとした自家製タルタルソース（これが単品で食べてもすごく美味しい！）との相性もバッチリです。頭の部分のカボチャサラダは甘さ控えめで、ご飯のおかずにも酒のつまみにも合いそう。ウルトラマンに切断されたゴモラのシッポの断面を模した「自虐のローストビーフ」は、超ジューシーで肉厚なビーフに、ホースラディッシュとソースを添えて頂きます。しかし噂には聞いていましたが、いざ出てくると第一印象はとにかく「デカい！！」どちらのメニューも野菜もたっぷり添えられていて、男性一人なら1～2皿で十分満足できます。2015年7月からは夏季限定メニューの展開も予定。

黄色・緑・赤のグラデーションが綺麗な「メトロンサンライズ」と、ピグモンをイメージしたライチが入ったキュートな「ピグモンのピンキーライチ」は、どちらもフルーティーな味わいで女性にもオススメ。このように見るだけで楽しいカクテルだけでなく、ビールベースのものや強めのリキュール類など様々なドリンク類が用意されているので、店員さんに聞きながら自分のお気に入りを探してみるのも楽しそうですね。

▲ツインテールといえば、のグドンも、このボリュームには大満足？横に倒してから切り分けると食べやすいそう。

▲炙りメニューを頼むと「火山怪鳥バードンのバーナー」で炙ってくれるなど、サービス満点。

 

「帰ってきた怪獣酒場」のこれから

店長にお話を伺うと「スタッフも筋金入りの怪獣ファンも多くいますので、何でも話しかけて質問して下さい。期待にお応えできるよう精一杯頑張ります」という熱いお言葉が。常連からスタッフになった方や、遠方から勤務する方も多く、怪獣酒場に懸ける「内側から」の熱意も相当なものです。料理や接客に対する高いプロ意識が感じられました。お客さんもお店に差し入れをしたり、自分の「推し怪獣」についてスタッフと語り合ったりと、「帰ってきた怪獣酒場」全体がウルトラ怪獣についての交流の場ともなっているようです。

▲「怪獣酒場」ファンの人が作ったというミニチュアフード。こういった「ファンとの交流」がスタッフの元気の源だそう。

 

とにかくどこを見ても怪獣、怪獣、怪獣だらけ！『ウルトラマン』シリーズを愛するコアなファンはもちろん、上司を連れてきたサラリーマンなどのライト層も「子供の頃見ていた」と大盛り上がりするそう。お店が想定しているメインターゲットはやはり壮年男性層ですが、予想より女性の来店や若い方の来店が多いのは意外だったそうです。

宇宙警備隊の管理下から開放され、期間限定店舗から常設店舗になり、これからは「未知の領域」へと向かう「帰ってきた怪獣酒場」。今までに行っていた単発イベントを恒例行事にし、年間を通して長期的なスケジュールを見越していかなければいけないなど、新たに考えなければならない点も多くなりますが、その中でも、来た人が楽しめるよう期間限定のイベントやメニューもどんどん発信して、幅広い層に愛されるお店にしていきたい、とのことです。

2015年6月現在、確かに「行ってすぐ入れる店」では無いのですが、店内に隅々まで行き渡るこのこだわりとプロ意識は一見どころかリピートの価値あり！常連さんのお言葉を借りると「並ぶところからが怪獣酒場」でもあり、段取り重視派の方には来店希望日の1ヶ月前から予約（5名以上）が出来るシステムもあるので、川崎まで足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
（取材協力：帰ってきた怪獣酒場）

▲人気の手ぬぐいなど、限定グッズも沢山。席の小皿型箸置き（全8種）は持ち帰りOKなのでこれもコンプリートしたくなる。

 

TVアニメ『怪獣酒場 カンパーイ！』

また、2015年7（セブン）月7（セブン）日よりTOKYO MX、7（セブン）月9（Q）日よりBS11にて、この「怪獣酒場」のスピンオフ企画、アニメ『怪獣酒場 カンパーイ！』が放送開始。バルタン店長以下、ダダやカネゴンらゆるかわテイストの怪獣たちがショートコメディを繰り広げます。実在の「怪獣酒場」では地球人の来店時間に怪獣は登場しませんが、このアニメならいつでもバルタン店長に会える！アニメを観る前でも観た後でも、お店に行ったら楽しめること間違いなし！

 

『帰ってきた怪獣酒場』公式サイト

TVアニメ『怪獣酒場 カンパーイ！』公式サイト

© 円谷プロ
© 怪獣酒場 カンパーイ！製作委員会