2018年1月にサービス開始してから、ホビー市場でも急速に人気の高まっている「メカ×少女」のスマートフォン用武装カスタマイズアクションゲーム『アリス・ギア・アイギス』。
amiami hobby newsでは、最新アイテムとともにキャラクター監修・キャラクターデザインに島田フミカネ氏、メカニックデザイナーに海老川兼武氏と柳瀬敬之氏、立体物のプロデュースと原型も手がける鳥山とりを氏、そしてゲーム開発元であるピラミッドの柏木准一氏、各メーカーの開発担当者の皆様という豪華メンバーによるインタビューを決行!
『アリス・ギア・アイギス』連続インタビュー企画の第2回は、いよいよ予約開始となったマックスファクトリー「figma 小鳥遊怜」についてお話を伺います。(最後までお読みいただくと、なんとあの方からのスペシャルコメントも……!)
今回の参加メンバーはこちら!
柏木准一氏:『アリス・ギア・アイギス』開発元の(株)ピラミッド社長。
柳瀬敬之氏:メカニックデザイナー。小鳥遊怜のメカデザイン&キャラクターデザイン担当。
島田フミカネ氏:イラストレーター。『アリス・ギア・アイギス』ではキャラクターデザインと共に、キャラクター監修も担当。
金子二等兵氏:マックスファクトリー企画・開発担当。figmaシリーズをスタート当初から手がけてきた。
鳥山とりを氏:合同会社ランペイジ プロデューサー。『アリス・ギア・アイギス』では立体プロデューサーを担当。
(以下、敬称略)
▲写真左から、金子二等兵氏、鳥山とりを氏。
右のパネルは、キャラクターデザイン島田フミカネ氏、メカデザイン柳瀬敬之氏で、『アリス・ギア・アイギス』figma第1弾にもなった「比良坂夜露」です。
──ではまず、柳瀬さんから、今回figma化された小鳥遊怜のデザインが決まるまでのお話を伺えるでしょうか。
柳瀬:私が依頼を受けたときには、楓さん(※吾妻楓)のデザインが完成していたので、そのイメージといただいたキャラクター設定やモチーフの指定に合わせてデザインしていきました。ピラミッドさんからいただいた書類もかなり細かく指定されていたのですが、最初に提出したデザインに対して「モチーフが違いますよ」と言われまして。じつは、その時の設定では「犬上怜」という名前だったので犬モチーフで描いたところ、資料にはちゃんと鳥モチーフと書いてあったんです。じゃあなんで「犬上」なんだということで(笑)、苗字を小鳥遊に変えてもらいました。ある意味、名付け親でもありますね。
柏木:そうですね、ただおばあちゃんの苗字には、まだ犬上は残ってます。あと、武装や身体のデザインはほとんど修正前から変わっていませんが、頭のパーツが鳥モチーフに変更してもらった部分ですね。
▲写真上に見える初期デザインには、犬耳風のデザインになっているものが。
柳瀬:描き直した頭パーツも、「ドラゴンに見える」という意見が出たところに、島田さんからシンプルな感じでどうですかということで案をいただいたのが最終的なデザインの元ですね。ボディスーツにジャージ風のラインを入れるところなども島田さんから案をいただいたところです。
▲ギアのつま先やポニーテールを止める髪飾りが、鳥型のイメージを反映されているポイント。
──専用ギア全体のイメージは、袴のような感じですね。
柳瀬:武器が弓なので、それに合わせて袴モチーフになっています。最初のラフから変わっていないところです。デザインがある程度できたところで、島田さんにディテールを監修してもらったり、ピラミッドさん側で基本のカラーリングを決めたりと、いろんな人のアイデアが入っていますね。
●『アリス・ギア・アイギス』解説
『アリス・ギア・アイギス』figma第2弾となった小鳥遊怜は、シャード防衛を担う民間企業でも最大手「叢雲工業」所属のアクトレスとして登場します。吾妻楓、日向リンという天才肌のトップアクトレス2人とチームを組んで活躍する努力家。感情をあまり表に出さず、人との距離を詰めることが苦手だけれど、実際は家族や仲間を大切にするタイプ。ブルーをイメージカラーにした専用ギアは、スカート状の大きなボトムスや、弓型のバズーカが特徴。
──フィギュア化される以前から、3Dゲームということで立体映えは意識してデザインされてきたのでしょうか。
柳瀬:そうですね。特に『アリスギア』では、ピラミッドさんがラフデザインの段階から3Dモデルを組んでくれて、それを元にこちらで調整するといった手順でやっています。
柏木:手間がかかるのであまりやらない方式ですが、ラフな3Dモデルをデザイナーさんにお渡しして、ディテールを詰めてもらうといったことをやっています。モデリングの担当も以前からやりとりを経験していた人間でお互い感覚が判っているので、デザインから3Dモデルへ起こす段階での修正はほとんどなかったですね。ゲームの3Dモデルとしてはかなり複雑な形状をしているんですけど、その分立体映えがしますね(笑)。
柳瀬:スカートの形状とかですかね。他の仕事ではだいたい武装と身体の接続や干渉を考慮しないといけないんですが、『アリスギア』では武装が浮いている設定なので、わりとパーツが複雑でもいいかなと思ったんです……。あとで立体化することになって、結局は考えないといけなくなったんですけどね。
鳥山:こちらはそのとばっちりを受けた形ですね(笑)。
柳瀬:正直、初期の段階では立体化される可能性はかなり低いだろうと思っていたので(笑)。今の状況は本当にありがたいですね。
柏木:僕としては企画当初から鳥山さんに、ホビーでの商品をたくさん作ってほしいということを、お願いしていました。ただ、島田さんや柳瀬さんをはじめデザイナーさんたちには、実際に模型化するつもりだという話をしないまま進めてしまったので、あとになってデザインされたものを模型にするのが難しい、という話になるとは思っていなくて……。それでもこうして次々に作ってもらえているのが、ありがたい限りです。
金子:figmaでも、『アリスギア』第1弾の比良坂夜露がよく売れたおかげで、こうして第2弾の企画がOKになりました。
──そこは改めて、『アリスギア』とホビーの相性の良さというのが大きいですね。マックスファクトリーさん側からみると、デザイン上難しかった部分というのはいかがでしたか。
金子:背中パーツを浮かせるのはメガミデバイスの楓さんで島田さんがデザインされた支柱を応用できたんですが、怜ちゃんではスカート部分をどこで支えるかで迷いましたね。figmaでは腰周りに構造的な余裕がないので、いろいろ検討した結果、脛部分で固定するというちょっと変わった方法になっています。
柳瀬:手持ち武器なんて、立体の都合は考えないでデザインしてますから……(笑)。
金子:それでもデザインがしっかりしているので、造形するうえで形状が判らないといった難しさは全くなくてありがたかったです。
──そこから先は、生産での苦労ということになるのでしょうか。
金子:そうですね。完成品とプラキットでは製品化するにあたっても、考え方が全く違うんです。例えば「figma 比良坂夜露」で導入した一部プラキット式の組立てパーツについて、怜ちゃんでも考えていたのですが、生産工場のノウハウなどウチには経験がない部分が多く、原型発表からリリースまでに時間がかかった原因になっています。プラパーツは精度などの利点がある一方で、完成品なら接着して済ませられる部分でも、お客様に組立ててもらうとなるとスナップフィットでピッタリ合うようにしないといけない。そのための分割や嵌合、それにともなう肉厚の調整などいろいろと難しくて、コトブキヤさんはすごいな、と思い知っているところです。結局のところすべて完成品にした方がウチの場合早いし安かったです。
鳥山:例えばパッと見でも、この背中のパーツなんかは分割するにも色分けするにも微妙な厚みなので、どうするか難しいところだと思います。
柳瀬:他の仕事では後からそういった都合で「ここのデザインを修正してください」と言われることがよくあるんですが、『アリスギア』は間に鳥山さんが入ってくれているので、こちらにはそういったことはなかったですね。
金子:逆にそれ、もっと言っても良かったんですかね(笑)。
──柳瀬さんや島田さんの方で、figmaの原型監修にあたって修正を入れた部分などは?
島田:監修してはいるんですが、キャラクター部分に関してはもともと出来がいいので、正直ほとんど素通しで「はいオッケーです」といった感じでした(笑)。
柳瀬:こちらは武装のポジションや脚の太さなどで、少しチェックを入れた程度ですかね。特に脚のバランスは、中に人の脚が入っているように見えないと違和感を感じてしまうので。これはデータでは判らなくて、原型を実際に見てはじめて気づいたところでした。
──そういったプロポーションと可動のバランスなどは、メカ×少女ならではの難しさですね。
金子:手足のパーツが普通の人型より大きかったり太かったりすると、クリアランスの取り方などで悩みますね。夜露のときには、肩関節の軸とギアの組み換え用の軸の干渉の問題で上腕が少し長くなってしまったんです。そこで怜では、figmaではあまりやらないことなんですがジョイントを専用に新しく作って、肩関節と組み換え用の軸を共通にすることでバランスをとれるようにしました。
──ギアの膝関節も、メカニカルなカバーが追加されてfigmaでは他にない処理になっていますね。
柳瀬:この部分は、マックスファクトリーさんでオリジナルのディテールを入れていただいたところですね。
金子:設計担当者の判断で、ディテールを入れ足したところなんです。たまに暴走してやりすぎることもあるんですけれど(笑)、ここはいいアレンジになったと思います。
柳瀬:プラモデルと違って、完成品の美少女フィギュアでどこまでディテールを追加していいんだろうかというのは、こちらでも悩んだところですね。最終的にはこちらからの追加は、ほとんどしませんでしたが。
鳥山:スネ周りのスジ彫りあたりはfigmaオリジナルで入れていただいたところですね。他の部分では怜の武装が夜露に比べて元からディテールが多めなので、これでいいバランスだと思います。
柳瀬:先ほども言ったように、ディテールを追加するときも鳥山さんがまず全体的な監修をしたうえでこちらに「足りない部分はないですか」と言ってくれるので、デザイナーとしてはとてもやりやすい現場だし、安心して進められるんです。
──『アリスギア』では、「figma」と「メガミデバイス」とのギア交換だったりと、メーカーの枠を超えたコラボというのも注目点ですね。
金子:プラモデルと完成品のコラボということで、それまで考えてもみなかった苦労が出てきました(笑)。夜露でやってみて悩ましかったのが、完成品ならではの収縮率の問題ですね。figmaでは製品が原型から5%ぐらいは縮むんですが、これも形状や方向によって違ったりと正直いまだにどれだけ変わるかよくわからないんです。夜露ではその影響で、ギアの差し替えなども苦労してしまいました。怜では、原型の段階からメガミデバイスとの調整も重ねてきて、もっと上手くやれると思います。
鳥山:「お互いコラボして部品を差し替えたりしましょう!」って楽しくはじめたんですが、意外な苦労がありましたね……(苦笑)。
──コラボ企画の実現に向けては、どのように動いてきたのでしょう?
鳥山:「メガミデバイス」を始めた時点から、他にもいろんな商品があってもいいんじゃないかと思って柏木さんとお話させていただいていたんです。金子さんからは「楓をやりたかったなー」と言われたんですが、それは「メガミデバイス」で決まっているのでごめんなさい、と(笑)。
金子:お話をいただいたとき、私の方ではたいへん乗り気だったんです。他社さんとのコラボはやっていてとても楽しいし、影響を受けられることも大きいですから。ただし、社長(※MAX渡辺氏)がどう判断するかが問題だったので、鳥山さんと攻略会議を開くことになりました(笑)。
鳥山:結局はプラモデル関係でMAX渡辺さんと親しい僕が説得役として呼ばれて、「MAXさん、いいよね? いいよね?」って(笑)。
金子:絶対やりたかったので、いろんな方向から攻めていきました。
●『アリス・ギア・アイギス』解説
敵を攻撃するごとに溜まるSPゲージが100%チャージされると、キャラクターごとに専用の必殺攻撃SPスキルが使用可能になります。演出も派手なカットインが入り、小鳥遊怜のSPスキル「ホークスタロン」では増設されたブーストで敵に急接近しながら、両手の剣で敵を切り刻みます。
──では最後に、「figma 小鳥遊怜」についてのアピールをお願いします。
柳瀬:デザイナーからすれば、もう100点満点で何も言うことはありません。SPスキルの武器まで付けてもらえるとは思わなかったです。夜露といい、やたら剣ばっかりデザインしていましたから(笑)。塗り分けもバッチリだし、とても遊べるものになっていると思います。
▲写真右が通常の怜専用クロス装備。写真中央の剣と左のブースターがSPスキル使用時専用の装備で、それぞれ2個ずつ付属することになります。
金子:発表から予約開始まで時間がかかって申し訳ありませんでしたが、それだけ設計をしっかり詰めています。よろしくお願いします。
──ありがとうございました!
スペシャルコメントも到着!
また、今回はあみあみ製作番組にご出演いただいているご縁から、「小鳥遊怜」のCVを担当されているルゥティンさんにもスペシャルコメントをいただきました!
<『アリス・ギア・アイギス』という作品について>
ゲームの映像がとってもキレイで、ホーム画面や任務中の画面など、見ていて飽きないです!
キャラクターも沢山いて、それぞれ好きなお洋服を着せたり、装備をカスタマイズしたり、レベルを上げて行くとキャラクターのエピソードが見れたりできるので、バトルだけではなく、色々な楽しみ方ができますよ。
<「小鳥遊怜」というキャラクターを演じてみて>
一見冷たい印象を持つ方も多いと思います。
セリフも冷たく、淡々と言ってくださいとディレクションが多かったです。
でも、本当はおばあちゃん子でとても心優しい子です。
言葉に時たま優しいところが垣間見えるといいなと思って演じさせて頂きました!
信頼度を上げていくとそう言う部分も見れるかなと思うので、ぜひ探してみてください。
怜ちゃんの事を沢山知ってくれると嬉しいです!
個人的に、ポニーテールの髪の感じと長さがとても好きです!
<フィギュア化についての感想>
自分の演じたキャラクターがフィギュアになるってすごく嬉しいです!
ゲームから飛び出して怜ちゃんがそこにいる!
お写真で拝見させていただきましたが、私の好きなポニーテールの髪の感じが再現されていてとても好きです。
怜ちゃんを沢山愛でてほしいです!
『アリス・ギア・アイギス』インタビュー企画、次回をお楽しみに!
(インタビュー・文 TAC☆)
【特典】figma アリス・ギア・アイギス 小鳥遊怜 商品ページ
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