話題となっている本商品の開発秘話や魅力を、バンダイホビー事業部 企画開発担当の三宅 のぞみ氏・齊田 直希氏のお二人にお伺いしました!開発者自ら語る注目アイテムの見どころをご紹介です!
『ホビーのまち』から生まれたプラモデル展開
三宅氏(以下敬称略):きっかけは『ガンダムビルドファイターズトライ』に登場した『HGBF すーぱーふみな』の反響が大きかったことです。今までプラモデルにさわったことのないお客様も『ふみな』をきっかけに手にとっていただけるようになり、その影響で美少女などのキャラクタープラモデルの開発にも取り組んでいこうということになりました。
そこからだんだんとノウハウが蓄積されていってフィギュアライズバストシリーズの立ち上げにいたりました。
—しかしながら、『ラブライブ!サンシャイン!!』のプラモデルとは驚きです。どういった経緯で商品化に至ったのでしょうか?
三宅:大前提としてラブライブ!シリーズの持つ作品のパワーが大きいということも理由なんですが、今回の『ラブライブ!サンシャイン!!』の舞台が静岡県なんです。静岡県にはバンダイのプラモデル工場があり、『ホビーのまち』と言われています。そこでキャラクターモデルの制作技術が向上した今、「是非、プラモデルで出したい!」という強い思いが芽生え、それが開発につながっていきました。
—なるほど。そんな縁があったのですね!
それでは個々の商品についてお伺いいたします。
三宅:はい、よろしくお願いします。
齊田氏(以下敬称略):よろしくお願いします。
『ラブライブ!サンシャイン!!』から新しい「遊び」を
三宅:最初にリリースされたのが『機動戦士ガンダムSEED』に登場する『キラ・ヤマト』と『アスラン・ザラ』で、<モビルスーツと一緒に飾ってかっこいい>そして並べることによって<世界観を演出できる>というのがテーマでした。なので、もし1/8スケールの全身のモデルであるとMG(1/100スケール)などと並べた時にスケール感が不自然になってしまうんです。
そこで、自然な形でかっこよく組み合わせるために胸像という現在の形に落ち着きました。
—モビルスーツと並べたときに映えますね。
しかし、今回は『ラブライブ!サンシャイン!!』です。どういった遊び方があるのでしょうか?
三宅:今までの『Figure-rise Bust』はメカと一緒に並べるということが大きな魅力だったんですが、もちろん今回はそういうわけにはいきません(笑)
ですから、今回は「9人のメンバーを並べた姿が大迫力になるように」というコンセプトでつくりました。例えば“背景シート”というものがそれぞれのキットに付属しています。これは今回の衣装にもなっている“Aqours”の1stシングル『君のこころは輝いてるかい?』のPVで描かれた世界観をイメージしたもので、1枚だけでも本体と組み合わせて使うことができますが、9種類そろえることでひとつの大きな背景にできる仕様になっています。
なので、ひとりで飾っても『ラブライブ!サンシャイン!!』の世界観を堪能できますし、9人揃えると本当にステージで踊っているような躍動感が楽しめます。
是非、9人集めていただきたいです!
残念ながら千歌ちゃんは鋭意開発中につき欠席。製品が楽しみ!
個々の商品についてはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
三宅:まず、ご好評いただいている“レイヤードインジェクション”技術を今回も採用しています。瞳にはクリア樹脂を使用しており、成型色の段階でツヤ感と陰影がある状態になっています。
—“レイヤードインジェクション”技術はユーザーの関心も高く、大きな注目を集めていますね。その中でも、特に女性キャラの瞳の輝きは目を見張るものがあります。
齊田:キャラクターのイメージを再現するための新しい試みとして初めてクリア樹脂を利用したグラデーション再現に挑戦しました。“レイヤードインジェクション”は4色の色を組み合わせる技術なのですが、さきほど言った通り、クリア樹脂を使用するとグラデーションが作れるので、実質的に5色以上の色を扱えるんです!
キャラクターのイメージによってこれを使い分けます。今回の『ラブライブ!サンシャイン!!』のメンバーたちにもこの技術を採用しました。
画像はシリーズ一弾であるキラ・ヤマトのレイヤードインジェクション部分
齊田:反響はすごいですね。“レイヤードインジェクション”を見てみたいという理由で、原作のキャラクターを知らずとも購入してくださる方もいっらしゃるようです。
—ユーザーの期待と関心の表れですね。私も、思わず瞳に目を奪われてしまいました。プラモデル全体を見てもとても可愛らしい印象です。
三宅:“レイヤードインジェクション”を使用していない部分も質感を調整していて、たとえば肌と髪の部分はマットな質感になっています。
齊田:パーツ構成にも拘っていて、合わせ目などが気にならないように腕などのパーツはムクのひとパーツの状態でランナーに連なっていたりするんです。
製品ではこの瞳にレイヤードインジェクションが実装される!
齊田:『ラブライブ!サンシャイン!!』のキャラクターはスクールアイドルということですので、かわいく歌っている姿を表現するために腕まで造形することになりました。今回は「9人のメンバーを並べた姿が大迫力になるように」というコンセプトですので、個々のメンバーをそれぞれ異なった魅力的なポーズにする必要があったのです。
—“胸像スタイル” というコンセプトに縛られず、キャラクターに合わせた造形になっているんですね。
そうなってくると、このクオリティで“全身”のプラモデルがほしくなってきてしまいます。
三宅:そういった声は各イベントなどでよく聞きます。
—皆さん大いに期待していると思います!
しかしながら、新しい試みの連続に脱帽してしまいます。これらの技術を今後、どのように発展させていくのでしょうか?
三宅:イヤリングとかほくろとか、塗りにくかったり組みにくいような細かい部分を成型色の段階で・・・みたいな色々なことにチャレンジしたいと思っています。
— ということは今後、別衣装の商品が出る可能性も・・・?
三宅:これらの商品の反響次第ですね(笑)
工具不要!気軽に組み立て可能な新シリーズ 『ぷちゅあらいず』
こちらはどのようなコンセプトの商品なのでしょうか?
三宅:若年層の方が多いラブライブ!シリーズファンの皆様に『プチ価格』『プチサイズ』で“手に取りやすいもの”を作りたいという想いがきっかけで始まったシリーズです。
—メンバーのうち同学年3人のコンパチキットになっているんですね。
三宅:ひとつのキットに3人分のパーツが入っているので、3つ買えば同時に同学年のキャラクターをそろえることができます。
1月から3月にかけて3種発売予定ですので、3種類をそれぞれ3個購入していただければ、たった3ヶ月の間に全メンバーが揃ってしまうんです!
「早くメンバー全員を並べたい!」と思っている方にはピッタリのシリーズになっております。
※ボディパーツは共通で1体です。
しかも、それぞれがとてもかわいいデフォルメ加減になっていますね。
三宅:企画段階で様々な等身を検討して今の形に落ち着きました。
三宅:2,000円弱という価格に見合うボリュームを目指しました。そして、なによりプラモデルですので「作りやすさ」という点も考慮した大きさになっています。
このサイズに関しても、等身と同じく様々な大きさを吟味してベストなものを割り出しました。とても作りやすいキットになっていると思います。
手のひらサイズが可愛い”プチサイズ”。
三宅:ランナーとパーツの接続部に“くさびゲート”を採用しています。ニッパーでキレイに切りとるのはもちろん、手で取り外すこともできるようになっているんです!
もちろん組み立てに接着剤は不要なので、買ってすぐキットを組み上げることができます。
—なるほど!プラモデルに慣れていない方のことを考えられている商品ですね。これまでキットを組んだことのない方も、これなら手を出しやすそうです!
三宅:パーツ数も40個にいかないくらいなので、プラモデル初心者の方には扱いやすいキットになっていますね。
しかし、プレイバリューはとても高いセット内容になっています!
まず頭部ですが、各メンバーの専用顔パーツがそれぞれひとつ付属します。これはいわゆる「キメの顔」なので、ぶれてしまっては可愛さが半減してしまうと思い、『HGBF すーぱーふみな』のように“瞳”と“眉毛”のパーツを別々にしました。これらは顔パーツにカッチリはめられる仕様なので、誰でも可愛いフェイスパーツをつくることができます。
そして、これとは別に無地の汎用顔パーツも付属しており、付属の表情シールを貼ることで自分の好きな表情を自由につくることができます。
三宅:その他にも自分の好みでチョイスできる要素が沢山あります!
腕パーツも3種類、脚部パーツも2種類用意しております。しかも、手足はボールジョイントになっているのでポーズの微調整が可能です。首と腰も回転するので、自分の好きなポーズをとらせることができます。
三宅:あと、足に関しても靴を履いている状態と裸足の2種類を選べます!
三宅:そうですね。他にも専用台座には大人気の『ラブライブ!サンシャイン!! ウエハース(別売り)』に付属するカードを挿して、背景にできるようなギミックも実装されていますし、本当に自分の思うがままに楽しんでいただきたいです。
—楽しみ方の選択肢が多いですね。これは、組み立てて遊びたくなります!
自分だけの『Aqours』にカスタムできるのがプラモデルならではの魅力
今回の『Figure-rise Bust』・『ぷちゅあらいず』のおすすめのカスタマイズ方法などがあれば教えてください。
三宅:ほっぺにピンクをいれていただけるとかわいくなりますよ!
あと、『Figure-rise Bust』に関してですと、貼りやすいホイルシールを用意しているんですが、衣装のラインをペンでささっと塗っていただくだけでも印象が変わります。
—それなら誰でも簡単にできそうですね!
三宅:女性キャラですと、かわいくなるようにどんどん手を加えたくなると思います。そこからだんだんと模型の世界に足を踏み込んでいっていただければ・・・(笑)
齊田:“メカ”よりも“人”を組むほうがプラモへの親近感が湧くと想うんです。
『Figure-rise Bust』開発者の想いとしても、ライトユーザーの皆さんにはこの『Figure-rise Bust』をファーストチョイスにしていただいて、そこから塗装といった高度なカスタマイズにまでステップアップしていただけたらうれしいです。パーツ数も少なくしていますし、「最初に買ったプラモデルがフィギュアライズバストなんです」と言っていただけるようなシリーズにしたいですね。
三宅:『ぷちゅあらいず』も素材としても遊べるプラモデルになっているので、ラブライブ!ファンでなくともプラモデルのファンであれば色々と挑戦してみたくなると思います。
齊田:そうですね。完成品のキャラクターモデルだとどうしても5,000円以上、ものによっては10,000円以上になってしまいますし、そこに手を加えるって相当な勇気がいると思うんです。
これらの商品は2,000円以下ですので、「ちょっとチャレンジしてみるか」と気軽に手に取っていただいたり、カスタマイズに踏み込んでいただけるかと思います。この気軽さがプラモデルの魅力でもあるわけです。
—「美少女キャラのプラモ」と聞いたときには意外な組み合わせに思えましたが、そう考えると、とても意義のある商品ですね!
三宅:なんといってもプラモデルには“自分でつくる”という工程がありますからね。愛着がすごく湧くと思うんです。そこが他の商品にはない魅力なので、これらの商品をきっかけに是非、プラモデルを好きになっていただきたいです!
—ひとりのプラモデルファンとしてもそう思います! 本日はありがとうございました。
『ぷちゅあらいず ラブライブ!サンシャイン!!』シリーズは1月より、『Figure-rise Bust ラブライブ!サンシャイン!!』シリーズは2月より順次発売予定です!