ポニーキャニオンから発売されるTVアニメ『進撃の巨人』のリヴァイ。立体機動装置で宙を舞い、巨人へ斬撃を浴びせる寸前の刀を振りかぶったポーズで立体化された大迫力のフィギュア原型を担当したのは、様々なメーカー製品で美麗な男性キャラのフィギュアを多く手掛け、ガレージキットディーラー「hacca」でも活躍する原型師「さと」さん(文中敬称略)。フィギュアとの関わりから、キャラクターへの思い入れなども合わせて、お話を伺いました。
フィギュアとの出会いはあの作品の予約戦争から
──まずはフィギュアとの出会いからおしえてください!
さと 初めてフィギュアに興味を持ったのは、『TIGER & BUNNY』が流行ったときですね。タイバニが大好きでS.H.Figuartsの予約戦争などにも参加していたんですが(笑)、そんな中で植物少女園の石長さんが作られた胸像がX(旧Twitter)で流れてきて、自分でフィギュアを作っている人がいるんだということを知りました。それをきっかけにガレージキットや「ワンダーフェスティバル」にも興味を持って、自分で作ったら楽しそうだなと思って、当時浅草で開催されていた模型塾に伺って作り方を習ったというのが始まりになります。
──それでは、最初に作られたのは?
さと やっぱりタイバニでした(笑)。始めたときは趣味で作ってみたかっただけでイベント参加は全然考えていなかったんですけれど、周りの人にお話を伺うとみんなワンフェスに出すのが目標だと聞いて、自然に出展する流れになった感じです。
──模型塾ですと、造形を覚えたのはアナログ造形からですか。
さと 模型塾で習っていた頃にはポリパテで作っていたんですが、アレルギーが出てしまって……。このままでは続けられないなということで、デジタルに切り替えることになりました。割と早い時期だったと思いますが、それまでにPCとペンタブで絵を描いていたこともあって機材はそのまま使えましたし、Zbrushでは服のシワなどを入れるのも絵に描きこむのと同じ感覚で出来たりと、スムーズに移行できました。
──お仕事として原型を手掛けるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
さと ワンフェスの会場で声をかけていただいて、グッドスマイルカンパニーさんのスカルプターズ・トライアウトに参加したことからですね。オランジュ・ルージュで『刀剣乱舞』のお仕事をいただくようになりました。
「一番いいリヴァイのフィギュアを頼む」
──それでは、今回のリヴァイも含めてのお話になりますが、原型を作るにあたって気を付けているのはどんな点でしょうか。
さと 物語性がある動きや、キャラクターが何をしているところなのか、前後の流れが感じられることですね。このリヴァイでは企画の時点で、大きく振りかぶって攻撃に転じるところという指定をいただいたので、身体のひねりで作った溜めから勢いが刀に伝わって斬撃に繋がる、一連の大きな流れが伝わるようにと思って作っています。
▲立体機動装置による高速移動の勢いに乗せて、身体のひねりで溜めた力を今まさに解放しようとする、斬撃直前のポーズ。鋭い視線の先に巨人のうなじが見えるようです。
リヴァイの企画の経緯に関しては、ポニーキャニオンでフィギュア企画から生産管理まで担当している鍋田さん(以下敬称略)にもお話に加わっていただきました。
鍋田 アニメがいよいよ完結に向けて盛り上がるところでポニーキャニオンとして製作するにあたって決まったのは、今までにない「一番いいリヴァイのフィギュア」ということでした。であれば、私の知る原型師で最高のリヴァイを作っていただけるのは、さとさんしかないということで依頼することになったんです。
▲象徴的な調査兵団のマントは大きくなびいた動きの造形に加えて、多段階のシャドーやハイライトで陰影を強めに出した塗装も力の入った仕上りです。
鍋田 リヴァイの一番いいシーンとしてファンが求めているのはどんなものだろうと、社内で喧々囂々と意見を交わした結果、彼を象徴する兵団のマントを翻して戦っている姿だろうと。その中でも一番美しいポーズとして、身体を捻ったポーズで正面をどこに置くかの設定や、顎の引き方から目線の置き方まで、ポーズ決めの時点でさとさんにもかなり手間をかけて調整してもらいました。
さと 勢いを出したいということで、デジタル造形の素体でのポージング段階から何度もチェックしていただき、修正を加えていきました。これまでにも良いフィギュアがたくさん出ているなか、一番カッコいいリヴァイを作りたいというご依頼でプレッシャーはあったんですが、個人的にも大好きなキャラでしたので頑張らせていただきました。
▲ポーズのダイナミックさに加えて、身体のひねりで生まれる服のシワなどは非常に細かく作り込まれ、リアルな存在感を生み出しています。元はイラストを描いていたさとさんの経験が活かされている部分とのこと。
鍋田 サイズに関しても、たとえコストがかかっても大きく迫力のあるものをということで、大きく広がったマントに、全体のボリュームを支えるためのエフェクトも大きめの物を付けてとやっていった結果、当初思っていたよりも大きく見えるものになりましたね。
さと デジタル造形の画面で見ているぶんには、こんなに大きくなるとは思わなかったんですが(笑)。好みを出した部分として、マントの広がり方や動きの演出に関しては大分好きにやらせてもらえたところです。
▲空気の流れを立体表現したエフェクトも加わり、実物を目の前にした時の迫力は写真でのイメージ以上!
▲超硬質ブレードの刃は、残像を表現した形状の交換パーツも付属。
──リヴァイに対する思い入れも、たっぷり入っているのが伝わってきます。
さと キャラクターの生き死にがシビアな物語ですから、原作の連載中に今度こそダメかというときは次の号が出るまで気が気じゃなかったりと、ほんとうに情緒を振り回されました(笑)。そんな中で生き延びてきたリヴァイの強さなんかも、フィギュアから感じてもらえると嬉しいですね。マントの下の身体の情報量など、見えにくいところのポイントも多いと思うので、ぜひ実物でじっくり見てほしいです。
──では最後に原型師のお仕事をしていくうえで、フィギュア市場の今後やご自分の今後に向けての希望などありますか?
さと 大きな希望ではないですが、これからもフィギュア業界で好きなフィギュアを作っていけたらいいなと思っています(笑)。今はフィギュアの価格もどんどん上がっているんですが、もう少し落ち着いて大きなフィギュアももう少し手軽に買える市場になるといいですね。
──ありがとうございました!
(文 TAC☆)
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©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
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