トミーテックが展開する1/12スケールの精密な銃火器キット『リトルアーモリー』と、オリジナルキャラクターのfigmaに新たな仲間が加わります。
「figma リトルアーモリー 武装JKバリアントA/B/C」「figmaPLUS リトルアーモリー 武装JKバリアント ロードアウトセット1」は、組み換えによりユーザーが自分で好みのキャラクターと装備を作り出せる新企画!

今回、あみあみニュースではトミーテックでリトルアーモリーシリーズの企画を担当してきた最上雅博氏と、そのパートナーとしてシリーズ初期から原型を手掛けてきたドラゴンクラフトの代表取締役である阿部一貴氏、同社の所属原型師である西尾和希氏にお話を伺いました。
※文中敬称略

▲左から最上雅博さん、西尾和希さん、阿部一貴さん

気軽にいろいろ試してみてほしいです

──ではまず、最上さんから簡単にシリーズのコンセプトなどをお願いします。

最上 これまでリトルアーモリーシリーズのfigmaでは、小説などのメディアで活躍したキャラクターをテーマに展開してきたんですが、こちらはあえてノンキャラクターの「武装JK」という形でご用意しました。ノーネームの3体とさらにオプションセットを同時発売することで、figmaの共通関節による互換性を活かし、お客様が「私の考えた武装JK」組み換え可能なフィギュアになっています。

──現代系の装備が渋いですね。

最上 装備は、まずプレートを入れた防弾性の高いアーマーを着用したもの、もう一人がチェストリグという胸元の弾薬入れのみを装備した機動性の高いスタイル、そして最後にベルトだけで一番軽装のスタイルとなっています。自分の妄想するシチュエーションに合わせて、激しい銃撃戦からライトな状況まで、様々な遊びの幅を用意しました。

──マニアックな使い分けができそうですね。

最上 元々のリトルアーモリー自体が、かなり凝った仕様の商品なのでそれに合わせています。例えば、これまでは別の銃を持たせた場合に、ポーチに入っているマガジンの種類の違いなどはある程度は無視しないといけなかったんですが、この商品ではAK用のマガジンとM16のマガジン、サブマシンガン用のマガジンなどと付け替えられるように用意してあるので、自分が持っているリトルアーモリーとピッタリの装備をフィギュアで再現できるというところまで盛り込んであります。

──組み換えにもなかなかミリタリー系の知識が要求されそうです(笑)。

最上 とはいえ難しく考えずに、派手で好みだとか、軽装が好きとか、そういったお客様それぞれの好みから入ってもらっていいと思います。フィギュア遊びは自由であるべきだと思いますので。むしろミリタリーマニアな僕らとは違った発想で、「私だったらこうするな」というチャレンジも見てみたいですね。

──頭部の組み換えによるキャラクター作りについては?

最上 A、B、Cそれぞれにロング、ポニーテール、ショートカットという違いに加えて、前髪が2種類ずつ付いています。フェイスパーツもすべて共通で交換することができるので、アバターやキャラメイク的な要素での楽しみ方もしていただけます。

──髪色は3人で違いますが、違うキャラの前髪と後ろ髪を組み合わせることもできるので、塗装で髪色を揃えたり、なんだったら前髪の色が違うなんていうのもアニメキャラならよくいる感じがしますよね。

▲髪色違いを気にせずに前後を入れ替えれば、髪型だけで12パターンの組み換えが追加に!

最上 前髪の交換を除いても、単純なパーツの組み換えで2000以上のパターンができる計算になっています。アバター的に自由に遊んでもらうというコンセプトのため、あえて前面に押し出してはいないんですが、重戦車工房さんに描いていただいたキャラクターデザインもしっかりしたイラストがあるんですよ。

──プリントなしのフェイスパーツに使うデカールは、ギャグ顔がこれまでのリトルアーモリーキャラにはない感じですね。

最上 これまでのリトルアーモリーのfigmaは、ふゆの春秋先生のイラストをベースにクールな雰囲気がメインだったので、こういったギャグ顔は初めてですね。制服の袖や胸に付けられるようなエンブレムのデカールも含めて、予備も付いているので気軽にいろいろ試してみてほしいです。

──ギャグ系の顔からキャラクターを固めていくのも面白そうですね。

可動フィギュアの原型は、可動と造形のせめぎ合い

──ドラゴンクラフトさんでは、リトルアーモリーのfigmaの原型を担当されてきたんですね。

阿部 朝戸未世からずっと、弊社の西尾が原型を担当してきました。今回の武装JKに関しては、西尾が本体をアナログ原型で作り、僕が装備類をデジタル原型で追加するという形でやっています。

最上 これまでのリトルアーモリーシリーズのfigmaは、アナログ原型+ベリ型による金型起こしという方法だったんですが、今回初めてアナログ原型を3Dスキャンでデータ化して放電加工による金型起こしという方法にすることで、組み換えのための精度を高めることができました。

──figmaということでは、マックスファクトリーさんの許諾品という形になるわけですよね。figmaらしさという部分に関して、マックスファクトリーさん内部では相当なこだわりがありますから、製作にあたっては厳しいチェックも入ったんではないかと。

西尾 そこはすごかったですね(笑)。朝戸未世の際には最初の原型完成までに、8~9ヵ月と普段の原型に比べて格段の時間がかかりました。

阿部 マックスファクトリーさんの金子二等兵さんが監修してくれたんですが、めちゃくちゃしっかり見ていただいて。髪の毛の流れひとつとっても、その都度細かくアドバイスをいただいて。やはり我々だけではここまではたどり着けなかったと思います。

阿部 実は西尾は、figma朝戸未世を担当したのがきっかけでお声掛けいただいて、今ではマックスファクトリーさん発売のfigmaも原型を担当させてもらっているんですよ。そうして本家のお仕事をしながら得たノウハウを、リトルアーモリーのfigmaにもフィードバックしているところです。
私が言うのもなんですが、西尾は仕事がとても丁寧なんですよ。可動フィギュアの原型は、可動と造形のせめぎ合いというか、関節の入れ方など感覚的な部分が大きいんですが、その点、繊細な感覚を持って作れる原型師なんです。

西尾 多少なりとも、硬い原型でもPVCになったときのことを想定して作っているところはありますね。慣れに近い感じではあるんですが。

阿部 頭の中で可動を含めた完成時のイメージが出来上がるよう試行錯誤を繰り返した部分などをユーザーさんに感じ取っていただけると幸いです。

西尾 あとは実際に関節を入れて曲げて、干渉具合をみて削って盛って、という細かい作業の繰り返しです。リトルアーモリーは特に、銃を構える動きが前提になっているので、腕を中途半端にしか前に出せないというのは避けなければいけないんですが、動かすために削りすぎれば見栄えが悪くなりますし。そこは作りながら見ていくしかない感じですね。

最上 マックスファクトリーさんの監修でも、そういった引き算と足し算を同時に求められますね。そこは流石だなといつも思います。

ミリタリーマニア同士気が抜けない

──今度はリトルアーモリーらしさという部分になると、やはり装備のリアルさですが。そこは阿部さんのご担当というところでしょうか。

阿部 私は実は、某ミリタリー誌でライターをやっていたこともあり、装備に関しては現代軍装のネイビーシールズ(米海軍特殊部隊)の装備研究をしていたりと、個人的にも大好きで。
最上さんとは元々、サバゲー仲間だったりもしたんです。そんな出会いから 2013 年当時、最上さんから「今度こういう企画をやるんだけど、(原型を)やるでしょ 」と言われまして(笑)。

──リトルアーモリーの企画自体の根幹まで話が遡りましたね(笑)。

阿部 このガンラックなども、初期の設計は私が3DCADで製作しています。
。そういった経緯もあって、今回の武装JKでは特に、こういった装備をfigma用の組み換えパーツに落とし込んでくれという依頼を受けることになりました。私のデジタル原型から出力したものを、最終的には西尾が本体に合わせて調整しています。

──装備品の形状の正確さに対して、女の子本体へのフィット感なども出さないといけないわけですよね。

最上 装備の正解の形を知りながら、アレンジして女の子フィギュアの形に合わせるというのは、両方の知識が必要なわけです。そういう点で、ドラゴンクラフトさんは両方がそろっている理想的な会社なんです。

阿部 最上さんも相当のミリタリー知識を持っている方なので、そういう意味では私も気が抜けないんですよ(笑)。

最上 お互いミリオタなので、企画書の書き方も「阿部さんなら通じるだろ」っていう投げ方になっていたりします(笑)。

西尾 デジタル原型を入れる前は、阿部さんからどんな装備を使うか聞いて造形していたんですが、ホルスターひとつにしても「Sの6004」とだけ言われても色んな種類があるわけですよ(笑)。僕はミリタリー知識はないので、とりあえず、ネットで調べた中からピックアップして「どれですか?」って聞いて作っていたという。

阿部 武装JKの装備交換などは、ウェビングテープで装備品を着脱するMOLLE(モール)システムっていうものをイメージしています。

最上 フィギュアにフィットするように形のアレンジはするんですが、ミリタリーファンのお客様が見て「いまのトレンドはこうだよね」と思ってもらえるようなセレクトを取り入れたりしています。ミリタリー系の中でも装備品のマニアには、「ナイロンをこねる」っていう特殊な文化がありまして(笑)。防弾チョッキに装備品をセットアップしていくことをそう呼ぶんですが、取り出しやすさを考えたり実戦の写真を再現したりと理想を追求していると延々と時間が潰れるんです。その楽しみをフィギュアに落とし込めないかなと考えたのが、武装JKのパーツだったりします。

──マイブームの装備スタイルなんてものはありますか?

最上 最近は私は体力が落ちてきたので、Cの子みたいな軽装にしちゃいますね(笑)。

阿部 逆に、女の子があえてフル装備しているなんていうのが、硬さと柔らかさの組み合わせが魅力的なんじゃないかと。

最上 どちらのタイプも、この製品で再現することができますね。リトルアーモリーの自分の好きな銃を持たせるための台座として考えてもらってもいいですし。「figma Styles」ということで、頭身などはマックスファクトリーさんで展開しているオリジナルキャラクターに合わせてあるので、そちらのシリーズの布服パーツなども組み合わせると、さらにカスタマイズの可能性が広がると思います。
あとは、そうやって完成したキャラクターにはぜひ、ユーザーさん自身で名前を付けてあげて欲しいですね。自分なりのセットアップに名前を付けて、ツイッターで「#リトルアーモリーを装備」ってハッシュタグ付きで投稿していただければ、私たち3人が見て「よし!」ってなります(笑)。

──では、最後にユーザーに向けて一言お願いします。

最上 「組み換え遊び」はパーツをたくさん持っているほど楽しいので、本当は、こういった製品は売り場で常に買えるようにしたいんですが、現在のフィギュア流通のシステム上は予約を受けてその数だけ売るという形になってしまいます。お客様には苦労を掛けてしまいますが、今後のシリーズ展開のためにもぜひ最初にA/B/Cとロードアウトを一通り揃えて遊んでいただければ幸いです。遊んでみたうえで、こういうのもあったらいいなという意見も出てくると思いますので、ぜひ色んな遊び方と一緒に聞かせてください。

──ありがとうございました!

ライトなフィギュアユーザーからコアなミリタリーファンまで、自由にマイ武装JKをカスタマイズして楽しめる「figma リトルアーモリー 武装JKバリアントA/B/C」と「figmaPLUS リトルアーモリー 武装JKロードアウト1」。企画・原型ともにこだわりを込めたアイテムが、ただいま予約受付中です! ぜひお手元でも、あなたのこだわりを実現してください!!

(文 TAC☆)

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