演劇に情熱を燃やす少女たちの物語が描かれるTVアニメ『ワールドダイスター』。16歳の鳳ここなは、浅草の有名劇団・シリウスに入団。若干11歳の天才役者・新妻八恵や、演劇界のサラブレッド、カトリナ・グリーベルといったライバルとともに、役者の頂点であるワールドダイスターを目指します! 魅力的なキャラクターたち、ロトスコープを使用したこだわりの舞台シーンなど、見どころが盛りだくさんの作品となっています!

今回、あみあみニュースでは、TVアニメ『ワールドダイスター』Blu-rayのあみあみ限定全巻購入特典として、八恵と柊望有の描き下ろしイラストを使用したF4キャンバスアートがつくことを記念して、新妻八恵役の長縄まりあさんと、柊望有役の森なな子さんのインタビューが実現しました! あみあみニュースだけの裏話が盛りだくさんですので、ぜひ最後までお楽しみください!

参考にしたのは、スターだった先輩の方たちです(森)

──まずTVアニメ『ワールドダイスター』という作品の印象についてお聞かせください。

 演劇を舞台にした作品ということで、とにかく携わりたかったですね。私は元々劇団にいたこともあり、「その時の経験を活かせるのではないか」と思いました。

長縄 お芝居を題材にしている作品ですから、役者である以上、「ぜひ挑戦させていただきたい」という気持ちがありました。八恵なら『アラビアンナイト』のランプの魔人など、「劇中劇でいろいろな役を演じることができる」ということがわかって、これは素晴らしい経験になると思いました。

──それぞれのご担当するキャラクターの役作りについてお聞かせください。
まず望有は、かつてダイスターとして将来を嘱望され、現在は劇団シリウスの副主宰として劇団運営に携わっています。

 ダイスターだった望有を担当せていただくのは、とても光栄でした。参考にしたのは、私が過去に劇団に所属していた当時、スターだった先輩の方たちです。当時の先輩方の背中を思い出して、「こんな感じだったかな?」と思い出しながら、アフレコに取り組みました。

──一方、八恵は若干11歳にして劇団シリウスのエース、次期ダイスター候補の筆頭と言われています。

長縄 八恵は「誰よりもダイスターに近い存在」ですし、年齢的には一番幼いのですが、「人生2周目?」と思えるぐらい、精神的には大人ですよね。とはいっても11歳ですから、「きっとどこかに心の寄りどころがあるかもしれない」と思っていたのですが、それは柊さんでしたね。

──劇中劇のシーンでは、アフレコも普段とは違う演技を意識しましたか?

 そうですね。舞台という広い空間でのお芝居は、声の出し方も普段のアフレコとは基本的に違います。実際のアフレコでも音響監督さんから、「空間を意識してください」というディレクションがありまして、そこはかなり考えて演じました。

長縄 アフレコは、スリッパで入るスタジオで行われたのですが、八恵の演技は、スリッパは履いたまま、劇中劇のときは脱いで、舞台との切り替えを意識しました。イメージしたのは、「マイクの向こう側にお客さんがいる」ということです。目線も手前ではなく、広い会場を見るように意識して。普通のアフレコとは違う雰囲気で、楽しかったですね。

──八恵と望有の関係がクローズアップされたのが、第七場でした。

 「柊さんと一緒に稽古したい」とウキウキで廊下を走っていて、でも「ワールドダイスターをシリウスから輩出するまで、舞台に立つつもりはありません」という展開が切なかったですね。「だから八恵は早くワールドダイスターになりたかったんだ!」って。

長縄 誰よりも貪欲に、ワールドダイスターの道を目指していたのは、そういう思いがあったんですよね。「彼女にも夢があるんだ」、「頑張っているんだ」ということが第七場でみなさんに知ってもらえたのは、八恵としてはうれしいのではないかなと思います。

 きっとシリウスにいる役者のなかで、八恵はワールドダイスターへの思いが一番強い子なんでしょうね。八恵と望有の関係性は素敵だけど、ちょっと切ないです。

長縄 柊さんが「舞台に立たない」と決めたときも、「いや、一緒にやりましょうよ」と言わず、泣きつくわけでもなく。心のなかで「自分がワールドダイスターになる」と決める決断の早さ、その迷いのない思考がスターですよね。八恵は本当にかっこいいと思います。

八恵にとって、柊さんはとても大きな存在(長縄)

──八恵は非常にストイックな姿勢で、ワールドダイスターを目指していることがわかります。

長縄 シリウスの舞台、『アラビアンナイト』で主演のアラジンをここなに譲り、ランプの魔人役を選んだのも、言ってしまえばエゴですよね。それほど貪欲でなければ、トップの役者ではいられない……。でも、そう感じさせない雰囲気を持っているのは、ー11歳のずるさかなと(笑)。
よく音響監督さんのディレクションで、「ポジティブに」と言われましたが、少しでも「申し訳ない」という気持ちを抱いては八恵じゃないんですよ。「私が輝けば、あなたも輝くの」というスタンスでなければいけないんです。ワールドダイスターを目指すストイックさと、年相応の純粋な雰囲気が相まって、新妻八恵という奇跡的な人物が生まれたのかもしれません。

 きっと望有にも、「八恵のような時期があったのかな?」と思えるんです。気付くのは遅かったけど、過去の経験があったから助言が出来るんでしょうね。

──2人には、他のキャラクターにはない信頼関係を感じますね。

 確かに八恵と望有は、最初から意思が通じ合っている印象がありましたね。距離感が近いと感じていましたが、「なるほど、こんな過去があったのか」と思いました。

長縄 八恵はもともとワールドダイスターを目指していたわけではなく、柊さんの演技を見て感動して、役者になったわけですからね。八恵にとって、柊さんはとても大きな存在だったことがわかります。

 第七場でも描かれましたが、望有も八恵を自分自身がスカウトしたことで、責任は感じていたんでしょうね。

──柊は裏方に徹していますが、この心情についてはどのように考えましたか?

 望有のセンスは、役者のスキルや適性を見極める能力ということで、とても裏方に向いていると思っていました。自分の力を最大限に発揮できる立場として、「裏方に回ったんじゃないか」と想像しています。きっと彼女の役者としてのキャリアのなかで、「今のポジションは違うな」と思った瞬間があったかもしれません。シャモ(劇団シリウス主宰:山吹シャモ)のことも大好きだったでしょうし、劇団に残るという選択をしたのではないかと。

──シャモと望有の間にも、強い信頼関係を感じますね。

 望有が完全に酔って、シャモに甘え切っていたシーンもありましからね。「過去にはいろいろなことがあったんだろうな」と想像できます。現在の八恵と望有の関係に近い感じがします。

──今後の展開について、お伺いできればと思います。

 第七場もそうですが、それぞれのキャラクターに焦点を当てたエピソードに注目していただきたいです。第八場は、さすぱん(流石知冴&柳場ぱんだ)のエピソードで、この2人も素敵な関係です。これまでは役者として歯がゆい部分もあったと思いますが、第八場で存分にさすぱんの魅力を楽しんでいただけると思います。

長縄 それぞれのキャラクター、そしてキャラクターの関係値ごとに、スポットライトが当たっていくことで、劇団シリウス全体の魅力が際立っていくと思います。最終場に向けて、どんどん盛り上がっていきますので、ぜひ劇団シリウス箱推しでお願いします。

──今回、『ワールドダイスター』Blu-rayのあみあみの限定全巻購入特典として、八恵と望有の描き下ろしイラストが用意されております。こちらの印象はいかがですか?

長縄 えー、すごい!

長縄 これは八恵、嬉しいだろうなぁ……。

 望有の表情も、いつもより柔らかい気がする……。

長縄 やんちゃで転んでしまったのではなく、きっと八恵が無理な稽古をして転んだと見ます。

 八恵らしい(笑)。第七場を見たあとだと、「本当によかったね!」って思えてきますね。

長縄 八恵にとって、柊さんは唯一、甘えられる存在といいますか。子どもらしさがいつもより出ている雰囲気ですね。

 劇中では描かれなかったシーンなので、この特典はぜひ手に入れていただきたいです! 私も欲しいです(笑)

──では最後に、ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

 第七場まで見ていただき、ありがとうございます。演劇を題材とした作品を、これほどの高いクオリティで毎週見ることができるのは、なかなか贅沢なことだと思っています。私もいち視聴者として、みなさんの実況を拝見しながら、楽しく見ています。クライマックスに向けて、劇団シリウスのひとりひとりの物語がより深く、描かれていきます。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、本当にすごいことが起こります! 最後まで見届けていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

長縄 アフレコでは、 新妻八恵という人物を作り上げることを意識していますが、いち視聴者としては、ここなさんを応援しながら見ています。ここなさんが輝きを増すと同時に、八恵たちも輝いて、みんなが舞台に真正面からぶつかっていきます。最終場までの5話の間に、本当にすごいことが起こります(笑)。ぜひ最後までよろしくお願いします。

──ありがとうございます!

Profile

森なな子/2005年に宝塚歌劇団に入団。2009年に退団後、2013年より声優として活動を開始。主な出演作品に『キラキラ☆プリキュアアラモード』(剣城あきら / キュアショコラ役)、『天狼 Sirius the Jaeger』(ドロテア役)、『メガロボクス』(白都ゆき子役)など。

長縄まりあ/2014年に声優としてデビュー。主な出演作品に『この素晴らしい世界に爆焔を!』(こめっこ)、『おとなりに銀河』(久我ふみお)、『エスタブライフ』(マルテース)、『異世界薬局』(ブランシュ・ド・メディシス)など。

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