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8月15日「サンライズフェスティバル2015 白南風」内にて、放映から15周年を迎えた『BRIGADOON まりんとメラン 15周年記念 パスカの日』トークショーが開催された。壇上には米たにヨシトモ監督、声優のKAORIさん(浅葱まりん役)、齋藤彩夏さん(如月萌役)、新谷真弓さん(ロロ役)、司会には兵頭一歩さんが登壇し、オールナイト上映の前に会場は大いに盛り上がった。
▲左から齋藤彩夏さん、KAORIさん、米たにヨシトモ監督、新谷真弓さん
約一ヶ月間にわたって、歴代サンライズ作品を上映する夏恒例のイベント「サンライズフェスティバル」。2015年度の皮切りとなる『まりメラ』上映前の会場は、すでに多くのファンで埋められていた。放映から15年経った今、再び集まったキャスト陣の中でも最も「成長した」のが、当時12歳の小学生だったという如月萌役の齋藤彩夏さん。15年の歳月の重さと、齋藤さんの「声の変わりの無さ」に、会場内も驚きと暖かい笑いに包まれた。
あいにくメラン役の大塚芳忠さんは登壇されなかったが、大塚さんも『まりメラ』はいまだに印象深い作品であり、17歳(相当)の役を与えられて大塚さんも最初は戸惑ったそうだ。
KAORIさんからも、まりんと萌ちゃんとの関係について「萌ちゃん(=齋藤さん)は現役小学生の年齢なので、どうしようと思いながら演じていた。齋藤さんに引っ張られて、童心に帰って演じられた」と、齋藤さんの成長への驚きとともに、当時の思い出を話された。緑色のロロ色の洋服に身を包んだ新谷真弓さんからはロロへの第一印象で「この動物は人語を解するのか」と思ったなど、アフレコに来るまで先の展開が読めない、意外性の連続だった『まりメラ』への驚きが語られた。
『まりメラ』は昨年逝去された故・水玉螢之丞氏がキャラクター原案をつとめたことでも知られている。水玉氏がアニメに関わったことは珍しく、起用した米たにヨシトモ監督からも「ロロは最初の企画には居ない、水玉先生の『変な生き物』という突然送られてきたスケッチから生まれた」「昭和らしさなど、大変こだわりを持ってデザインされた」など、通常のアニメスタッフとは異なる視点を持ち、作品に愛情を注いだ亡き水玉氏の功績についても触れられた。
水玉氏の起用をはじめとして、『まりメラ』は作中に実験的な試みが多くなされた作品でもある。亜呂真役の緑川光さんは「本当に食べ物を食べながら演じていた」ことや、フォークロア的なイメージを取り入れた音楽については「(監督が)外国人の路上パフォーマーに声をかけたが、言葉が通じず逃げられた」などといった制作裏話から、キャラクターデザインの木村貴宏氏の結婚式に「ロロの着ぐるみ」を自腹で作ったスタッフが参列した話まで、当時の『まりメラ』に関わった人々の愛情に溢れたエピソードに、ファンも楽しそうに耳を傾けた。
トークショーの終盤、待望のBlu-ray BOX化が発表され、会場からは今回一番大きな歓声と拍手が上がり、なんと涙する人も出たほど。盛り上がりも最高潮となり監督から「2時間延長しよう」と発言が出るほど盛り上がったトークショーだが、最後に登壇者の皆さんから「15年経ってイベントやBD化が実現して、この作品をずっと愛して下さった皆さんに心からありがとうと言いたい。これからも愛される作品であることを願います(KAORI)」「感無量、いっぱいの愛を感じて幸せだと思います。作品を大好きで居てくれる皆さんがいることに感動(齋藤)」「内容的には攻めている、こだわりぬいた作品だからこそ、心に残っていたり今もスタッフもさん達が覚えてくれている。演じている側もそうで、スタッフさんが心血注いでいるものが愛されて嬉しい(新谷)」「15年前に作った時には、サンライズ初のフルデジタル作品で、色々なものを突破して創りだした作品。あるべくしてあった作品と思っています(米たに)」という言葉と、次なる「パスカの日」での再会を誓い締めくくられた。
▲会場にはスタッフの色紙、監督作のクレイなど『まりメラ』関連アイテムも展示された。
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