2014年6月の第1回・東京を皮切りに、北海道から福岡まで日本全国で承太郎たちとともに旅をしてきた「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース プレミア上映会」。この度6月19日には東京・TOHOシネマズ日劇にて第10回が開催され、エジプト編のクライマックスとなる46話、47話、48話(最終回)が上映された。中でも最終回となる48話は先行上映で、最新の映像とともにプレミアム上映会のファイナルを見届けようと会場には大勢の『ジョジョ』ファンが詰めかけた。

ゲストにはプレミア上映会ではおなじみの空条承太郎役・小野大輔さんに加え、DIO役・子安武人さんという、100年以上の永きに渡るジョースター家の因縁の対決を再現するにふさわしいお二人が登場。特にDIO役の子安武人さんはプレミア上映会初登場で、DIO「本人」の登場とともに会場からは大きな歓声が上がった。

 

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▲大歓声とともに登場した小野大輔さん(画像左)、子安武人さん(画像右)

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すでにお約束となっている、ファンからの声援に対して承太郎の「うっとおしいぞこのアマ!」のセリフで返す小野大輔さんに、イベントに出演するのは3年ぶりほどで、緊張した様子の子安武人さん。最初に上映する46話、47話の見どころについて質問されると子安さんから「仮に花○○が死ぬとしたら」「じじいを○○する」と、まだ観ていない人へのネタバレに配慮(?)した紹介が。小野さんからは「DIOの『ザ・ワールド』の第一声に鳥肌が立った」と、子安さんの演技に対しての驚きが述べられた。

ここで上映のため一旦降壇……かと思いきや、なんと小野さん、子安さんも座席に座って鑑賞。会場のファンとともに、大スクリーンかつ立体音響で繰り広げられるDIOとの最終決戦に臨んだ。

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▲46話、47話上映後に、それぞれの役について語るお二人

上映を終えると子安さんから「DIOはずっと喋っていますね(笑)でも我ながらよくやっていると思います」と、改めて自身の演技に驚きを隠せない様子が。しかも「ほぼNGなし」だそうだ。DIOの存在は『ジョジョ』第1部から続いているが、第3部でクライマックスを迎えるにあたって「(DIOとの決戦が)一番盛り上がらなければいけない、一人で立ち向かわなければいけない」と、プレッシャーを感じた様子も語られた。子安さんはイベント中は終始「DIO目線」に立ち、一(DIO)対多数(承太郎一行)の構図に「DIOは世が世なら主役」「花京院は誰のおかげで友達ができたの?」と、巧みな話術で観客を一気にDIO派に巻き込み、それに小野さんが「騙されるな!」と焦るシーンも。緊迫感溢れる戦闘シーンの後、その盛り上がりのまま会場中が大きな笑いに包まれた。

小野さんも「すごかった」と述べたDIOのスタンド名でもある『ザ・ワールド』をはじめ、『ジョジョ』第3部後半は名言と言われるセリフの宝庫だ。アフレコについては『ジョジョ』の現場は「テストもMAX、本番もそれ以上」と、子安さん、小野さんから熱さの溢れる様子が語られた。特に「オラオラオラ」と「無駄無駄無駄」の超スピードの掛け合いについては、テスト撮りは一緒に、本番は別撮りだったが、互いに「もっと熱く重く」と臨んだそうだ。そんな小野さんに「承太郎が最初よりすごく強くなっていた」と、子安さんも成長を感じたという。

ちなみに「時が止まる」という特殊演出が加えられた47話のOPだが、あれは本当に「9秒」止まっているそう。映像技術的にも高度な試みなので、是非映像ソフトなどで見返して欲しい。

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▲左端は司会のアニメライター・小林氏。時間オーバーするほど濃いトークが繰り広げられた。

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自身が演じるDIOというキャラについて、という質問に子安さんは「大ボスなのに努力家、まだ上に行こうとしている」と、こちらでも再び「DIO目線」で彼の凄さを語り、「一部からのDIOの『歴史』を演じられたのは感無量、嬉しかった」と、漫画史に残る稀代の悪役を演じきった感想を述べられた。また、原作では第4部以降も登場した承太郎について「『承る』という字は『次に繋ぐ』という意味もある。是非(今後も承太郎役を)やりたい」と、小野さんからも承太郎役への想いが語られた。

「DIOを意識してアフレコをしていた」という小野さんは、子安さんから見ればキャリア的にも後輩に当たる。最初は「憧れの先輩」だったのが、ある時から「この人を倒したい」という気持ちになり、別の現場などでも会った際に子安さんに「今度(ジョジョで)倒しますよ」と声をかけたそう。「一緒の作品で戦えて嬉しかった」と、感慨深げに語られた。

そして本日のラストを飾る、最終話である48話については「どう演じたかあまり覚えてない。全部出し切った」という小野さんに、「盛大なNG」を思い出したという子安さん。しかし尋常ならざるテンションでDIOを演じきり、スタッフからも「あんな子安さんは見たことが無い」と言われたほど。「これで普通の声優に戻るんだ(笑)今やれと言われても出来ない(子安)」と、まさに100%以上の力をもってDIOと承太郎の決戦は収録された。

最後に空条承太郎を演じきった小野さんから「小野大輔としても承太郎としても全部叶った。諦めずに仲間と一緒に心を注いでいけば叶わないことは無い。この旅に無理、無駄はなかった。ありがとうと言うしか無い」、子安さんから「また何かあれば、ぜひとも足を運んで来て貰えると嬉しい」と、会場のファンに向けてメッセージが贈られた。

また壇上で、子安さんへアヴドゥル役の三宅健太さんから「HELL 2 U!」、ジョセフ役の石塚運昇さんから「君がいたから楽しい旅をさせて頂きました」と、キャラになぞらえたメッセージが小野さんから伝えられた。

続いて「19日の朝に出来た」という最終回となる48話「遙かなる旅路 さらば友よ」が上映。もちろん、ラストを含む映像の内容は詳しくは書けないが、DIOと承太郎の時を止めた中での壮絶なバトルを、観客も固唾を呑んで見守った。

 

第48話「遥かなる旅路 さらば友よ」

・脚本:小林靖子
・絵コンテ:鈴木健一、加藤敏幸
・演出:町谷俊輔、加藤敏幸、吉川志我津
・作画監督:西村 彩、山本晃宏、Cha Myoung Jun、石本峻一、糸井 恵、伊藤公崇

ポルナレフの奇襲と自らの命を懸けたトリックで、ついにDIOへ反撃の一撃を与えることに成功する承太郎。重傷を負ったDIOは時を止めながら逃亡をはかる。承太郎はラッシュ攻撃でトドメを狙うが、それこそがDIOが仕組んだ「逃走経路」だった。承太郎に吹っ飛ばされたDIOの先には、倒れ伏したジョセフの肉体が…!回復したDIOへの怒りを燃やす承太郎は、己の感情の赴くままに時の止まった世界でDIOとの最終決戦に挑む――!!

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TVアニメ第3部、そして10回を数えたプレミア上映会は終わったが、10月のスペシャルイベントをはじめまだまだ承太郎達の『旅』は終わらない。あみあみ(amiami hobby news)も第3部放映前の第1回プレミア上映会から記事を作成しているが、ずっとこの旅を続けていたい、そんな気持ちになる作品だった。是非DVD&Blu-rayソフト等で、何度でも「スターダストクルセイダース」を楽しんで欲しい。

 

『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式サイト

©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会