今西隆志監督らも登壇『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』スタッフトークショー付上映会「THE・音（じ・おん）」リポート

今西隆志監督らも登壇『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』スタッフトークショー付上映会「THE・音（じ・おん）」リポート 2015.6.15 (Mon)

2015年6月6日、東京・Gibson Brands Showroom TOKYOにて『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』スタッフトークショー付上映会「THE音（じ・おん）」が開催された。本イベントでは制作時の音響「5.1ch」を改めて再解析し、「7.2ch」にアップミックスして本編を上映する、という特別イベントも開催された。

会場となったGibson Brands Showroom TOKYOでは、Onkyoブランドをはじめ、ヘッドホンやアンプなど最新鋭のオーディオ機器が試聴でき、壁には著名なアーティストが使用したギターがズラリと並ぶ。まさに音響のプロフェッショナル設備が揃うこの店の2階で、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』今西隆志監督、音響監督・藤野貞義氏、『機動戦士ガンダム』も手がけられた音楽プロデューサー・藤田純二氏を迎え、「音」についての本作の魅力などをファンの前で語った。

監督、音響監督、音楽プロデューサーになったきっかけや『機動戦士ガンダム』との関わりを話される中で「今までの仕事で『音』に関して印象に残っている事は」という質問に対して「ドンパチが多いので、戦車に轢かれかけたりとかそういう音は詳しいですね（今西監督）」「自分が『機動戦士ガンダム』を担当した当時は、ステレオ録音したBGMをモノラルで上映されたりとそのままの形で流れない時代があったけれど、今は（再生音と原音が）遜色無い、いい時代になったとも思います。皆でその環境を実現してくれるというのが嬉しいですね（藤田氏）」と、劇中音へのこだわりや回想を語られた。

「『THE ORIGIN』で大事にされたこと」という質問には「『機動戦士ガンダム』放送当時のファンは50代ですが、『THE ORIGIN』の来場者の平均年齢が45歳なので、ちょっと後の世代の方が多く見ているんですね。ビーム・ライフルの音などを昔の名残を残しつつ、悩みながらやってました（今西監督）」「映像的にも技術が進んで、昔のイメージでは音も追いつかない。いいものを残しながら新しい違和感のないものを残していく（藤野氏）」と、既に存在する『機動戦士ガンダム』への意識や「2015年の新しい『機動戦士ガンダム』」に賭けた新しい試みなどを語られた。例えば車の走行音も、単なるエンジン音ではなくエレカーのような未来的な音感にアレンジするなど、まだ実在しない「音」への表現に苦心されたそうだ。

▲今西隆志監督

▲音響監督・藤野貞義氏

▲音楽プロデューサー・藤田純二氏

最後に3名から「（7.2chが）家にあればいいですよね（笑）『哀しみのアルテイシア』もよろしくお願いします（今西監督）」「これだけスピーカーを並べて聞けるのは嬉しいですね。オーケストラの広がりが綺麗なのでそれを感じて頂ければと思います（藤野氏）」「劇場より小さく家よりは広いこの環境で、生々しい音が楽しめる。ぜひ音楽でも『THE ORIGIN』を楽しんで下さい（藤田氏）」と、先に体験した7.2chの感想と、『THE ORIGIN』ファンへのメッセージが伝えられた。

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この後、7.2chという特別音響にて『青い瞳のキャスバル』本編を上映。最高の音響設備から生まれるサウンドは、セリフはより情緒豊かに、爆発音や起動音は深く鋭く響かせ、1年戦争前夜を描いた『THE ORIGIN』の重厚なドラマを一層盛り上げる。特に真後ろのアンプの存在感は大きく、本作のハイライトシーンである「ガンタンク初期型の疾走シーン」では、椅子が揺れる程の迫力と臨場感が感じられた。トークショーの内容と、劇場上映版以上のスペシャルサウンドに、会場のファンも心ゆくまで酔いしれた。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅰ 青い瞳のキャスバル』は現在BD/DVDソフトが好評発売中、『Ⅱ 哀しみのアルテイシア』は今秋イベント上映予定。