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5月27日(水)にBlu-ray&DVDソフトが発売される劇場作品『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の発売前夜祭として、5月26日・新宿ピカデリーにて「発売前夜マトーク」が開催された。当日は映画『宇宙戦艦ヤマト2199』総監督・出渕裕氏、チーフメカニカルディレクター・西井正典氏、桐生美影役の声優・中村繪里子さんの3名が登壇し、映像ソフト発売を翌日に控えた『星巡る方舟』トークを展開された。

「ヤマトーク」は、『宇宙戦艦ヤマト2199』の劇場公開時などの折々に開催されてきたイベントで、スタッフらから物語のポイントや設定についての考察、制作裏話などがファンに向けて語られてきた。特に今回は、『星巡る方舟』劇場公開時には実現しなかった「出渕総監督によるたっぷりヤマトーク」が聞けるとあって、会場には大勢のファンが詰めかけた。

 

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今回は「(暫定的に)最後のヤマトーク」ということで、アニメライターの小林治氏によるMCで、今までの『宇宙戦艦ヤマト2199』関連のイベントを振り返る内容から始まった。それによると出渕総監督は20回以上登壇しており、今回の出渕総監督、西井氏、中村さんの3名は偶然にも「イベント登壇回数トップ3」だそうだ。

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▲桐生美影役・中村繪里子さん

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▲チーフメカニカルディレクター・西井正典氏

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▲分厚いコンテ集を「聖書」に見立てて登場の出渕裕総監督

『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』の鍵を握るキャラとなった桐生美影役の中村さんからは、桐生のキャラに対して「『宇宙戦艦ヤマト2199』の世界観をつかむのに必死でした。少女だけれど軍人としてヤマトに搭乗して戦いを経験しているので、落ち着いた感じにしてほしいと言われて、どうしようかと」と、キャラを掴むまでの苦労を語られた。

出渕総監督からも桐生美影のイメージについて「何か”属性”を出したほうが面白いかなと。劇中に出た『幻影の船』も、最初は普通の船だったのが、艦船オタクの桐生のイメージで作られたものなので『ヤマトホテル』になりました。ちょうど某艦船ゲームも流行っているし(笑)内装なども桐生が好きなものを盛っています」と。桐生美影が真田の部下になったきっかけについては「最初から狙って技術科に配属したわけではなく、もしかしたら桐生はここまでヒロイン扱いしなかったかもしれない。惑星に下ろすには探索ということで技術科がいいのかなと思ったのです。桐生のヒロイン性は結果としてピースがハマった、偶然ではないけど必然ではない感じですね」と改めて解説がなされた。

桐生美影のデザインについては「髪を結わえているのはリボンなのかシュシュなのか、という点で大変でした。キャラデザの結城信輝さんは最初リボンで描いてきて、しばらくして彼から『艦内でリボンはちょっと違うのでは』とシュシュになり、今回ソフト化にあたりもう一回きちんと起こし直すときに結城さんから『リボンでもいいんじゃないか』と(笑)。なので桐生の髪型は少し混在しているんです。でも服の切り替わりに合わせて直しています」など、出渕総監督から作画面での裏話も。

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桐生美影のキャラクター作りについては「TV版の時になんとなくは掴んでいましたが、大人っぽい成熟した部分を最初に演じていて、それが『星巡る方舟』のモノローグに反映されているんですけど、それを外に出すのが難しい子なんだな、というのを今回はじめて知りました。女性クルーとはすぐに打ち解けられるけれど、男性とは上手くコミニュケーションが取れない子なのかと」と中村さんならではの苦労と解釈が語られ、また、劇中で桐生美影との絡みも多かった沢村翔やフォムト・バーガーに対しては「(斉藤始に対して)お兄ちゃんのように接しているので、まだ男性への恋心までいかないかな(中村)」と「前途多難」な様子が。そのバーガーのデザインに対しては出渕総監督から「手塚治虫っぽいデザインで、ガミラスの幕僚団って虫プロの臭いがするんですよね。僕らの世代に刻み込まれているんです」というコメントで会場の笑いを誘うシーンもあった。

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▲幻影の中で、少し幼いイメージの桐生美影。こちらの彼女はリボンを身につけている。

 

このような「桐生美影の髪型」をはじめ、ソフト版では結城信輝氏や出渕裕監督の手が改めて加えられている。その総量は小さな修正を含めるとなんと600カット、全体の半分近くにも及ぶ。もちろん本編は劇場上映時でも満足できる仕上がりであったが、ソフト版でその「違い」をチェックするのも楽しみのひとつだ。
ガレキを金属片に描き直すなどのリテイクについては「優先順位的には低いかもしれないけど、そういうところにこだわるのが作り方としては正しいのかな。映画は細部に宿るというのもありますからね」という出渕総監督からのコメントが寄せられた。

メカについても、西井氏がソフト化にあたりディティールを全面的に追加。TV版でははっきりと見えなかった細部を『星巡る方舟』において描き起こしたり、上映版よりさらに新たな効果も加わるなど、より迫力のあるビジュアルへと進化している。この貴重なメカ資料を集めた「宇宙戦艦ヤマト2199 艦艇精密機械画集 HYPER MECHANICAL DETAIL ARTWORKS」が7月出版される。この本は西井氏による解説も収録され、そのため西井氏から「最近、文字ばかり書いて絵を描いていないんですよ」という言葉も。

 

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▲太鼓での登場シーンが印象的だったガトランティス兵。このような楽器的演出シーンも必見だ。

また、『宇宙戦艦ヤマト』といえば音楽も見(聴き)逃せないポイント。『星巡る方舟』の音楽については「そのシーン用にレコ―ディングできた。展開のところでバシッと音楽が決まってくれたのが大きかったですね。太鼓のリズムに合わせて進軍してくるのが合うなと思いました。最後の決戦で、ヤマトとガミラスとガトランティスのテーマを三位一体にした感じにしたいなと。アプローチの仕方が違ってて面白かったです」と出渕総監督からも太鼓判が。

 

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最後に3名の登壇者から「皆さんと一緒の旅をしていた気持ちです。ここまでお付き合い下さりありがとうございました(出渕)」「毎回感動を頂けて幸せです。初めてお会いして1年ちょっとしか経っていないのに、楽しい思いをさせて頂けたと噛み締めています(中村)」「8年は長いですよ。皆さんに来て頂けるのはありがたいことです。今後については何も言えませんが、またの機会があれば嬉しいと思います(西井)」と、8年にも及ぶ『宇宙戦艦ヤマト2199』プロジェクトへの感謝の気持ちをもって締めくくられた。

全26話に及ぶ本編と総集編『追憶の航海』の公開を経て、『宇宙戦艦ヤマト2199』の完結編とも例えられる『星巡る方舟』だが、本作に登場したガトランティスの存在など、作中にはまだ多くの「語られていない物語」も残っている。『星巡る方舟』完成と大きな区切りを迎えた出渕裕総監督らの「発売前夜マトーク」に、会場のファンも大いに楽しんだ。Blu-rayソフトは本日5月27日バンダイビジュアルから発売。(文中一部敬称略)

 

製品概要

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「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」 発売日:2015年5月27日
・Blu-ray 初回限定版 品番:BCXA-0968 価格:9,800 円(税抜)
(予)388分/本編DISC:159分(本編111分+映像特典48分)+特典DISC:229分

・Blu-ray 品番:BCXA-0967 価格:7,800 円(税抜)
(予)159分/(111分+映像特典48分)

・DVD 品番:BCBA-4677 価格:6,800 円(税抜)
(予)159分/(本編111分+映像特典48分)

≪Blu-ray 初回限定版、Blu-ray、DVD 共通特典≫
【初回特典】特製スリーブ<加藤直之描き下ろし>
【特 典】・特製ブックレット
【映像特典】初日舞台挨拶映像(12月6日) ・特番「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」発進SP
・特報、本編予告、CM ・PV集
【音声特典】オーディオコメンタリー(出演:小野大輔、諏訪部順一、中村繪里子、別所誠人、出渕 裕)
【他、仕様】ジャケットイラストはキャラクターデザイン結城信輝による描き下ろし

≪BCXA-0968 Blu-ray 初回限定版のみの特典≫
・特典DISC:舞台挨拶映像(12月14日)、特番「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」大ヒット航海中SP
たっぷりヤマトークナイト星巡るミュージック編(出演:宮川彬良、吉田知弘、小林 治)
たっぷりヤマトークナイト星巡るギャラリー編(出演:加藤直之、麻宮騎亜、小林 治)
ヤマトーク出張版「YRA ラジオヤマト最終回Special!」(出演:内田 彩、中村繪里子)
劇伴収録風景、「宇宙戦艦ヤマト2199」ヒット祈願in 嚴島神社
ピクチャードラマ・絵コンテ集

 

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『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』公式サイト

© 西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会