オリジナルフィギュアの中でも、ユーザーからの好評に支えられて順調にシリーズを重ねているのがヴェルテクスが贈る「エルフ村」。様々なイラストレーターによるオリジナルデザインのエルフを立体化し、派生シリーズのダークエルフ村も登場しています。
そして今回、ついにリリース10体目となる「第14村人 ママ・ティアナ」が登場!
これを記念して、ヴェルテクスでエルフ村シリーズのプロデューサーを務める志賀弘臣氏に、企画の秘話や最新作の見どころについてお話を伺いました。

「描きたいエルフ」を自由に描いてもらうことにしているんです

──まずはエルフ村の歴史ということで、企画のはじまりから伺えるでしょうか。

志賀 第1村人のアルシェイルをリリースしたのが、2017年ですね。きっかけはちょっとネガティブな理由になるんですが、当時、弊社がフィギュアメーカーとして後発だったこともあって、版権キャラの許諾取得に苦労していました。そこでフィギュアのためにイラストレーターさんにデザインしてもらったオリジナルキャラクターをやろうということになったんです。

──エルフ村というコンセプトはどこから?

志賀 これは我々もみんなも大好きなということで(笑)、キャラクターの魅力の勘どころもわかるのでエルフに決まりました。そこで、商業や同人誌でも多くエルフキャラを描かれていた鶴崎貴大さんに依頼してデザインしてもらったのが、アルシェイルになります。最初はシリーズにしていくつもりはなくて、アルシェイルの初期版は単に「ヴェルテクスオリジナルキャラクター」という呼称だったんですよ。

──「エルフ村」というシリーズ名がすっかり浸透しているので、それはちょっと意外でした。

志賀 アルシェイルの予約での反応が良かったのですぐにシリーズ化が決まって、再販版から製品タイトルに「エルフ村」が付けられたんです。エルフ村と付いていない初版のアルシェイルを持っている方は、今ではだいぶレアだと思います(笑)。これが売れなかったらシリーズ化もなかったんですが、それ以前にヴェルテクス造形部自体の存続も危なかったのでまさに救世主というところです。

▲「第1村人 アルシェイル」「第2村人 シーカ」。

志賀 第2弾には同じく鶴崎貴大さんに、アルシェイルと関連のあるキャラクターということで、プロポーション的にも対照的な妹のシーカを描いてもらいました。
その頃にはいろんなイラストレーターさんに描いていただくということも決まって、何体か同時にデザイン依頼をしてフィギュア製作を進行していきました。第X村人というナンバリングはイラストを公開した順に付けていったんですが、それぞれの進行スケジュールの事情によって製品リリースとナンバリングの順が「第3村人 リンシア」「第4村人 プリシラ」で早速崩れることになります(笑)。

▲「第3村人 リンシア」「第4村人 プリシラ」は、第4村人のプリシラの方が先に発売。
イラストレーター朝凪さんからの申し出により実現した企画だったそう。

──現在、村人ナンバーで抜けているキャラの立体化も待たれるところですね(笑)。ナンバリングというのは、シリーズとして買っているユーザーのコレクター心をくすぐるところでもあります。

志賀 実際このあたりから、シリーズとしての認知も広まったようで、売れ行きも大きく上がってきました。そして第5村人として登場したのが、魔太郎さんに描いていただいたククルですね。

▲「第5村人 ククル」「第8村人 セシル」姉妹として共通する要素をもったデザイン。

志賀 ククルに関しては、最初のラフが上がった段階で若干注文を付けていて、キャッチ―さやわかりやすさを強調してもらうようにしたんですが、それに対して次のラフでほぼ最終のデザインが上がってきたのはさすがですね。ちなみに、第8村人としてククルのお姉さんのセシルをお願いしたときにも、某ロボットアニメに例えて「ククルが初代ならセシルはMK-2の感じで」という頭の悪いオーダーをしていたりします(笑)。

──キャラクターデザインに関しては、どんな風に進めているんでしょうか。

志賀 企画側としてはよくない手法でもあるんですが、デザインに関してはイラストレーターさんに対してあえて抽象的な依頼をするようにしてきました。依頼することを決めた段階で、この人なら絶対にいいエルフが出てくるという確信をもっているので、あとはどんな引き出しを開けてくれるのか、その幅を広げてもらうためにこちらから注文をつけずに「描きたいエルフ」を自由に描いてもらうことにしているんです。
でも面白いことに、こちらから「自由に描いてください」というと、皆さん王道の“緑の衣装に弓や剣”というラインを外して、武器を斧や槍にしたりと捻ってこられるんですよ。こちらとしてはそのまま王道ど真ん中でも構わないんですが、おかげでバラエティ豊かなシリーズになっているところもあります(笑)。

▲「第7村人 シルヴィア」は、朝凪さんにあえて王道イメージの「緑の衣装&剣士」というオーダーでデザインしてもらったとのこと。

志賀 また、フィギュアにした際のシルエットの美しさや装飾の見栄えといった部分は、気を遣ってもらっているところです。
スタート時でも、豪華な作りのフィギュアにしようという商品コンセプトではあったんですが、「第7村人 シルヴィア」「第12村人 ルルーニャ」といったあたりでは、もう一段タガが外れて、コスト度外視でいこうという感じになってきました。
このシリーズを買ってくれるお客様は、フィギュアファンの中でも相当に本気の、グルメといえる人たちだと思うんです。人気原作があるフィギュアと違って、フィギュアそのものを評価して買ってくれる人がこれだけ居たというのがシリーズを続けていくなかで見えてきた。それにどう応えていくかというのがテーマに加わってきたところですね。

▲「第12村人 ルルーニャ」のデザインはメカ少女系の立体化キャラも多数手がけているNidy-2D-さん。
クリアパーツを多用した装備など、SFデザインを得意とするNidy-2D-さんのアイデアが多く盛り込まれています。

フィギュアとして見飽きないようにと考えています

──それではいよいよ、最新作の「第14村人 ママ・ティアナ」について伺っていきたいと思います。キャラクターデザインはククル、セシルに続いて魔太郎さんですね。

志賀 はい。魔太郎さんの3体目ということで、最初にボス的なニュアンスでとお願いしました。また2人に関係のあるキャラとして妹かママが候補として挙がったなかで、自分的にはママがいいなということでこうなりました(笑)。特にボス的なというイメージもしっかり反映したていただいて、ラフ段階でほとんど完成したデザインがあがっていましたね。

▲姉妹2人と並べても、格段のボリュームとなる「第14村人 ママ・ティアナ」。

志賀 コスト的にかなり高くなってしまうのではというご相談もいただいたんですが、イラストの出来の良さに「このままやろう!」という判断になりました。どこかオミットして安くするという手もあったんですが、「この人の描くエルフが見たい」「手抜きのないクオリティで」というシリーズのコンセプトを突き詰めることと、シリーズに期待してくれるグルメなお客様に対して安くするという選択の方が失礼なのではないかということで。結果、イラストレーターの魔太郎さんはもちろん、原型師さんや彩色担当の方も血を吐く勢いでがんばってくれました。

▲白を基調に、上品な水色、紫のグラデーションを施した衣装。
部分ごとの素材感にもこだわり、それぞれに艶やシャドーの入れ方を変えて表現してあります。

志賀 それでも当初は通常のエルフ村の1.5倍ほどとみていたんですが、最終的に2.5倍といったところになりました。ただボリュームがあったりパーツが多いというだけではなく、そのボリュームに見合った細密さというのも徹底しています。
装飾品も全体に大きなパーツが付いているのではなく、繊細なパーツが重なっている構造による多層的なシルエットを重視しました。これによっていろんな方向から見たときに、隙間から見える様子も変化してフィギュアとして見飽きないようにと考えています。

▲開発中のデザインラフを特別公開! 頭に被せる装飾は複数タイプが検討されましたが、後光のイメージのリングと王冠が交換パーツとして採用されました。

▲肩を覆う衣装にたくさん打たれた鋲のディテールは四角い形状のため、デコマスの筆塗り塗装では1個につき各辺で4回の工程が必要になったそう。

▲デザインラフで胸ガーターと称されている衣装に押さえられた魅惑の胸元は、斜めのラインで抑えられた上部の盛り上がりとベルトに支えられた下部のたわみなど、部分によってベクトルの異なる力のかかり具合も造形表現されています!

▲ツインテールそれぞれに多数の房が複雑に絡み合う髪の毛。
最初に3D出力した際には、組み立てるのに8時間かかったとか。

志賀 鎌の刃のグラデーションは、イラストの雰囲気どおりに塗ると立体物として金属らしさが出ないので、彩色でアレンジを加えてファンタジーな世界観の中での重厚さを出してもらいました。大きさゆえに自然に落ちる影とパールの艶に、塗装によるシャドウが重なるようになっていて、全体の彩色の手間の中でもかなりの割合を占めています。

▲刃だけでも超絶なサイズの鎌。大きなパーツだけに、カーブした刃に沿って流れる視線を何度も変化するグラデーションが楽しませてくれます。

──では、お話の最後に総合的なアピールや、シリーズのこれからについての抱負などお願いします。

志賀 まさにシリーズの集大成でもあり、弊社の技術の最高到達点といった仕上りとなっています。現在、工場から出てきているテストショットの出来もよく、お値段に対して後悔のない物になると思うので、ぜひグルメなお客様に買っていただきたいです。
もちろん今後のシリーズも準備中で、新参加のイラストレーターさんを含めて、それぞれデザインにもひと手間かけていただきながら、原型師さんとのマッチングにもこだわって進めています。
なにより自分たち自身がエルフが大好きで、単純に楽しいので続けていきたいという欲求が強みだと思っていますから(笑)。ブレずにオリジナルシリーズとしてのエルフ村の良さを追求し続けていきます!

──これからも楽しみにしています!!

ママ・ティアナのデザイン資料の下に、未公開キャラクターのイラストが!? 有名イラストレーターのあんな人やこんな人による村人が、新規入村予定なのです。

歴史あるエルフ村の顔ぶれが、勢ぞろい! ゴージャスなラインナップには、これからの展開も目が離せませんね。

「第14村人 ママ・ティアナ」は、ただいま好評予約受付中!!

アンテナショップ限定版には、「にっこり顔パーツ」「差替腕&王冠パーツ」「特製芝台座」「A3タペストリー」など、豪華特典が付属します!

【限定販売】ヴェルテクス・オリジナルズ エルフ村 第14村人 ママ・ティアナ アンテナショップ限定版 商品ページヴェルテクス・オリジナルズ エルフ村 第14村人 ママ・ティアナ 1/6 完成品フィギュア 商品ページ

(文 TAC☆)

そして今回、リリース10体目を記念して「エルフ村歴代村人から好きなフィギュア1体」プレゼントするキャンペーンを実施!
奮ってご参加ください!

キャンペーン概要

当選者:3名様

応募期間:2024年5月31日(金)~6月14日(金)23:59

応募方法:
①@amiamihobbynewsをフォロー
②欲しい村人とその理由を引用RP

エルフ村へのアツい想いをお待ちしています!

 

注意事項をご確認の上、ご応募ください。

※賞品は7月より随時発送予定です。
※複数アカウント・複数名義での応募はご遠慮ください。
※当キャンペーンにつきましては、@amiamihobbynewsのDMにてお問い合わせください。
※当選された方へのDMをもって当選発表とさせていただきます。
※当選者の方にはDMにて「お名前」「送付先」「お電話番号」を頂戴しますので、予めご了承のうえご応募ください。
※いただいた個人情報は当キャンペーン運用以外の目的で使用することはありません。キャンペーン終了次第、個人情報は削除いたします。
※当キャンペーンは日本在住の方が対象です。
国外からの応募は無効となりますのでご了承ください。
This present campaign is only open to those living in Japan.
Unfortunately applications from those living outside Japan will not be entered in the draw.

ヴェルテクス 公式サイト

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