サンライズBlu-ray BOX 制作担当インタビュー[第2回] 『魔動王グランゾート』&「セルアニメのBlu-ray化」について


こんにちは静メカです。
現在amiami hobby newsでは、『エルトドランシリーズ』『魔神英雄伝ワタル』『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』など、次々と発売されているサンライズ作品の「Blu-ray BOX」について、ライツ営業部・木内さんより制作にまつわるお話をインタビュー形式で公開中です。

本日の【第2回】では、現在大好評発売中の『魔動王グランゾート』Blu-ray Boxへのこだわり、また「セルアニメはどのようにBlu-ray化するのか」、また「どこまで高画質化するのか」という、実際に制作に携わる方だからこそ聞ける、大変貴重な内容をご紹介します。


[第1回]『元気爆発ガンバルガー』Blu-ray BOX 紹介記事へ

 

『ワタル』から『グランゾート』へ―Blu-ray Boxでつながるサンライズ作品の関係

―――続いて、同じく2014年12月24日に発売された『魔動王グランゾート』Blu-ray Box(上画像)のご紹介です。こちらも開くと1枚絵になるデジパック仕様のインナーボックスが2つ、初回限定版にはフルカラー冊子「25周年お祝いぶっく」が付属するなど、大変豪華な仕様です。

―――『グランゾート』では特に、ディスクレーベルとディスク収納部分のイラストが、キャラと搭乗する魔動王、それぞれ対となる構成になっているんですね。

木内: なるべく多くのキャラを載せたくて苦労しました。絵を載せる面積と載せたいキャラの数なんてまず一致しないし、載せるキャラを削れば作業としては楽なのですが、例えば『ライジンオー』は18人のクラスメイト全員が揃っての地球防衛組ですので、パッケージには全員を載せなければならない。『ガンバルガー』も主役の3人と敵キャラだけでなく、彼らを取り巻く家族やクラスメイトを載せたい。『グランゾート』ではキャラに対して個別の魔動王がいる、そういった作品のテーマ性や物語性も、パッケージに詰め込んで、ファンの皆さんが手に取った時にニヤリとしてもらえるように心がけています。

木内: また、先にBlu-ray Box化した『魔神英雄伝ワタル』『魔神英雄伝ワタル2』に引き続き、『グランゾート』初回限定版にも当時のスタッフや関係者からのお祝いイラストを集めた「お祝いぶっく」が付属します。なるべく原寸の大きさでファンの皆さんに見て頂きたかったので、色紙のサイズに近いサイズで冊子を作りました。当然Blu-ray Boxより大きくなってしまうので、別途梱包箱(上画像)に入れる仕様にしました。

―――これは、作品を生み出した方々の筆致が直に感じられる、素晴らしいメモリアルアイテムですね。そういえば、『グランゾート』ディスク収納部にある大地やラビたちのイラストは、3月に発売されるラバーストラップの絵柄にもなっていますが……

木内: 以前、とあるメーカーさんがラバーストラップを商品化された事がありました。その出来栄えに感心しつつ、私の担当作品でもラバーストラップを発売してほしいという思いがずっとありました。2014年9月に『ワタル』のCD-BOXが発売されたのですが、その頃に弊社の商品化担当へ相談をしたんです。そうしたらそのラバーストラップを商品化したフロンティアワークスの担当と繋げてくれ、今回の特典として実現しました。先方の担当も『ワタル』世代なのか乗り気でしたので、その勢いで『グランゾート』もお願いちゃいました(笑)。

『グランゾート』では2015年2月25日に「魔動王グランゾート マジカル音楽大全集」も発売されましたし、ファンが作品を支持してくれる限り、チャンスを見つけて盛り上げていきたいと思っています。


▲Blu-ray Boxの描き下ろしイラストが使用された『魔動王グランゾート』ラバーストラップ。こちらは3月開催の「アニメジャパン2015」やweb通販で購入できる。

 

セルアニメはどこまで高画質化できる?地道な作業を支えるサンライズ木内さんの「作品愛」

―――セルアニメがBlu-ray化する、と聞いた際に、まず「どこまで画質が良くなるのか」「DVDとどう違うのか」という疑問が浮かびますが、もともとHD画質に対応していないセルアニメを高画質化する、というのは、どうやって実現するのでしょうか。

木内: HDリマスターについての説明は難しいですね。専門用語がたくさん出てきますし、色々な方法があります。それにフィルムのサイズや状態、作品ごとにベストなリマスター方針は異なります。担当としてはHD化するにあたり、劣化した映像を使わず「ニュープリント」することにこだわっています。私は、ニュープリントすることで、その作品を最も綺麗にHD化できると考えているからです。
セル画作品にはフィルムが存在します。TV放送時の映像、LD、DVDも状態はともあれコピーされる度に画質は劣化しています。

―――「ダビングを繰り返したビデオテープ」の画質を想像すると、解りやすいですね。

木内: そうですね。ですから、可能な限り状態の良いフィルムにさかのぼり、そこからリマスター作業を開始できるように心がけています。総集編なども状態の良い箇所から再編集する事により、見やすい内容にしています。

 


▲Blu-rayとDVDの画質を比較した公式動画。色彩の鮮やかさが復元されているのはもちろん、画面の揺れやチラつきも軽減され、映像のクオリティが格段に向上したのが一目でわかる。

 

―――お話を聞いているだけだと簡単そうに思えてしまいますが、1話=25分だとして、単純計算でも24コマ×60秒×25分=36000コマものチェックになりますね。しかもそれが……

木内: リマスターの実作業は専用のスタジオの方たちにお願いをしています。その後、作業が済んだ映像を再生しながら気になるポイントをチェックしています。画面上のゴミや画面が揺れて気になる箇所、それらを追加で修正してもらいます。修正箇所をメモする際も顔を上げずにずっと映像を見ているので、後から読み返すとメモが曲がっているんです。中には解読不明な文字も(笑)。

▲こちらが木内さんによる「手元を見ずに書いている」リマスター作業時のメモ。修正内容とともに、1分も空かない間隔で指摘されるチェックの細かさも伺える。

 

木内: 私の場合、4クール作品のBlu-ray BOXが発売するまでに4回くらいは観ることになりますね。このチェック作業だけでも最低でも6ヶ月はかかります。「HDリマスター」というのは「HD化に伴い、本編のマスターアップを全話分もう一回やり直す」という意味でもあるんですよ。修正箇所の見落としが無いよう、私以外にもリマスター作業担当者はいますが、それでも1年にHD化できる作品の数は多くないですね。慌てて出して、品質を下げてはファンの皆さんにも失礼ですしね。

―――デジタルの時代になり、何でもデータが有れば簡単に修正できるイメージですが、そうではなく地道で実直な作業の積み重ねなのですね……。修正チェックのプレッシャーや、作業の多さにも負けず、木内さんが『ガンバルガー』『グランゾート』といった、ファンへのサービスに溢れたBlu-ray BOXを手がけ続けられる「原動力」のようなものはありますか?

木内: サンライズの作品が好きだからですね。リマスター作業もパッケージのアイディアも「作品を熟知していないと出来ない、出せない」域まで粘り、ファンの方に納得して頂けるものを目指して作っています。また、ブックレットへ収録する新規取材は、一人でも多くの方のお話を掲載するようにしています。先に発売されているDVD-BOXが常にライバルですね(笑)。

あとは、アニメ業界において「あの作品がBlu-ray化するぞ」というのはニュースになっても、ディスクになった「実物」をお見せして紹介できる機会は多くはないので、この記事で「サンライズ作品のBlu-ray BOXには、こだわりと愛情が詰まっている」と少しでも多くの方に知って頂ければ嬉しいです。

―――本日は貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。

 


「amiami hobby news」では、今後もサンライズ作品のBlu-ray BOXをご紹介させて頂く予定です。
発売中~発売直前のタイトルはもちろん、「あの作品が!?」というニュースもいち早くお伝えできるかも?どうぞお楽しみに!
(文中一部敬称略)

※映像編集作業の解説において、記事内では内容を解りやすくするために一部簡略化、また省略して説明している箇所もございます。ご了承下さい。

 

『元気爆発ガンバルガー』公式サイト

『魔動王グランゾート』公式サイト

©サンライズ


1 件のコメントがあります

  1. サンライズライツ営業部・木内さん(id:sunriserights)インタビュー2本、どちらもHDリマスターBD-BOX制作に対するコダワリが感じられて面白いです! http://t.co/EVIgf9BvGZhttp://t.co/4zRM5j41Vf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Top